第30話 マイルーム

 冒険者ギルドの隣にある巨大な建物、その中に入り自分のマイルームに帰りに支度を始めたメアリー


「ふう、中に入るとなんか落ち着くのよね、アンファングの部屋の方が豪華だけど、このなんも無い部屋も良いのよね」


 メアリーはメインクエストを進める事によって冒険者ギルドからも部屋マイルームをもらっていた。アイテムボックスは共有でアンファングの自分の部屋のアイテムボックスと繋がっている。そのアイテムボックスをメアリーは確認した


「あ、ホントにちゃんと偽リアンさんに預けたアイテムが入ってる。ウシシ、後で売っぱらって何か買おっと」


 メアリーはベットに腰掛けながら何となく自分の見渡す。ほぼ初期状態なのでベットとアイテムボックスだけの殺風景な部屋だ


「家具を買ってみようかな、実用性はほぼないらしいけど、何時までもこんな部屋にしといちゃね。観葉植物とか置いてせめてリアルの部屋よりもマシな部屋にしないと」


 メアリーはVRユニットの窓を開けてリアルとゲームの自分の部屋を見比べながらふとそう思う


「リアルの部屋を片付けるのが先ねこれは・・・」


 メアリーは部屋の事を忘れ気持ちを切り替えて、持ち物のアイテムを整理して、敵からドロップした相手身の中から使えそうな物が無いかをチェックする


「ちっ、しけてやがるわね。まあ売ればお金にはなるんだけど」


 メアリーはそう言って立ち上がり冒険者ギルドへの受付に向かった


「う~ん、遅いわねえショウ。また変なこだわりをしてるのかしら?」


 メアリーが冒険者ギルドの待合所で座りながら舞っていると、小さな物体がひょこひょこと歩いて来てメアリーに話し掛けた


「メアリンお久しぶりだね!」


「ポピちゃんじゃない! 飲み会以来ね、今日はどうしたの」


「最近どうもマンネリ気味でね。サブクラスでも鍛えようかと思ってさ」


 ポピーは前に会った時と違う装備をしていた。小奇麗なシーツにシルクハットをかぶっている


「サブっでどんな?」


賭博士ギャンブラーだよ、運が上がるから素材集めの為にもとって上げておいたが良いんだけど、トランプとかミニゲームが苦手でほったらかしにしてたんだ。今日は戦闘で無理矢理レベルを上げてやるつもりで来たんだ」


「だからそのかっこうなんだ。今私ね自分のメインクエストを消化してる所なんだけど良かったらパーティに入らない?」


「いいのかい? ボク下手したら足手まといになるかもしれないけど」


「いいのいいの、ショウなんかレベル10にもなってスキル一つも使えないんだから」


「あー、ショウは火力特化だからねSPスキルポイントを多く使用する上級スキルしかないのか。ちなみにメインクエストはどこまで進んだの?」


「今ちょうど馬を買える様になったとこ」


「序盤も序盤じゃん、それなら僕が居ても大丈夫だね。それじゃあお供させてもらうよ」


「やった」


「ところでメアリンのレベルは幾つ?」


「今クラスがソーサラーレベル26だけど、ソルジャーが48よ」


「結構高いね、そんなレベルになるまで何してたの?」


「戦闘が楽しくて。特に雑魚がウジャウジャ出るヤツ!」


 メアリーの言葉を聞いてポピーはゾクゾクと身震いした


「うは、見た目によらず戦闘狂ですな! 明るい見た目と裏腹にスカートの中と同じように真っ黒に閉ざされている」


 メアリーはスカートを覗こうとするポピーの顔を踏みつける


 「ガシッ!」


「のぞくな!」


「ご褒美ありがとうございますぅ!」


 メアリーはポピーから足を離しながら冒険者カードを取りだして言う


「さて、お約束も終わったところでパーティ登録しちゃいましょうか」


「ああ、よろしく」


 ポピーがメアリーのパーティに加わった。するとショウからパーティ内通信が来た


「あれ、ポピーさんも仲間に入ったの?」


「よろしくねショウくん、お世話になるよ」


「あれ~、それじゃあ弱体化を調整しなおさないとな・・・」


「そんな所で拘らなくても、経験値の大半はメアリンの初クリアボーナスでしょ。弱体化より数をこなすのを優先した方が効率がいいじゃん」


「僕はギリギリの戦いを楽しみたいの!」


 ポピーは不敵な笑みを浮かべる


「マゾプレイヤーめ」


「本物のマゾに言われたくないんだけど!」


「ホンモノだから言えるのだ! さあショウくんも有ら新しい扉を開こうじゃないか!」


「いやだよ!」


 メアリーはニヤつきながらショウにこう言った


「防具屋で私のボンデージ姿に興奮してたくせに」


「し、してないよ! いきなりあんな滑降したから戸惑っただけだからね!」


 メアリーとショウの会話を聞いてポピーはうんうんと頷いた


「そうか、そうか、メアリンも過激だねえ」


「そうでしょう」


 誇らしげな声で言うメアリーの言葉にショウはツッコミを入れた


「何で自慢げに言うのさ!?」


 ポピーがつぶやく


「これはどう戦うか戦闘が楽しみだね、どんな残虐性を見せるのか・・・。ボクが失敗したらお仕置きお願いします!」


「だまれい!チビが!」


 メアリーはまたポピーの頭を踏みつける


「ご褒美の前払いありがとうございます!」


 通信から聞こえてくる二人の会話にショウはため息をついた


「本当に相性抜群だね二人とも」


 そうボヤくショウに対してメアリーは叫ぶ


「アンタもさっさと来なさい、もうその装備で良いでしょ。早く次のクエストに行きましょう! さもないと通信でずっとこの会話を聞かせてやるんだから」


「嫌がらせの方向がが斜め上すぎるね。わかったよ今すぐ行きますよ、もう」


 ショウは冒険者ギルドの待合所に直ぐ現れ、メアリー達は次のクエストへと出発した

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