第9話 はじめての戦闘

 クエストを受け、目的地に到着したメアリーとショウは馬車を下りて平原に立った


「ここがクエストの目的地ね。さあ獲物はどこ!」


「道沿いを歩いて行けば現れるから、そんな焦らないで」


 メアリーが一見のどかな平原で武器を手に持ち殺気立ちながら歩いていると、マップが赤く点滅しメアリーは慌てた


「え、なになに!エラーおきちゃった!? ここまだ非戦闘地帯だったり?武器構えちゃったから警告ぅ!?」


「お持ちかねの敵だよ! さあ構えて!」


 ショウが剣を抜き構えるとほぼ同時に、目の前に半透明のブヨプヨした物体が数体現れ行くてを塞いだ


「「ぴきぃ~!」」


 メアリーはエノキの棒をその物体に向け言い放った


「居たなサンドバック!」


「スライムだね。初期モンスターだけどちゃんと反撃して来るから、油断してると死ぬよ」


 ショウの警告も聞かずメアリーはスライムAに襲い掛かった


「貴様のツルツルの頭が課長に似ている! 忘年会で私のグラスに次々とビールを継いできた恨みをここで晴らさせてもら・・・」


「カプッ!」


 スライムAの攻撃、スライムAはメアリーの腕ににかみついた。メアリーは3ダメージを受けた。


「痛い痛い痛い!」


「だから言わんこっちゃない。えい」


 ショウはメアリーの腕にかみついたスライムに攻撃し24ダメージあたえた。スライムAを倒した。


「ピギイ!」


 続けてスライムBとCもショウに襲い掛かるが、ショウは慣れた手つきで剣で切り返していく。スライムBとCにそれぞれ21ダメージと24ダメージ与え、スライム達は全滅した


「あ、勢いでみんな斬っちゃった。ごめんメアリー・・・、メアリー?」


 メアリーは噛みつかれた腕を不思議そうに見ながらぼーとしていた


「えっと? なんか痛い様な感じがしたけど今のは何?」


「共感覚ってやつだね」


「共感覚?」


「青い物を見て涼しそうに感じたり、赤い物を見て熱そうに感じるとかあるじゃない。そういった色で温度を感じる様に、映像効果や音を使って痛みを演出してるんだよ。だから実際は腕は痛くなくても痛いように錯覚するわけ」


「怖っ、なにその要らない技術」


「まだVRが主流じゃない時からあった演出みたいだよ。設定画面から感度をいじれるから調整してみる?」


「うーん・・・。いいや、実際は痛くないと思えば何とかなるでしょ。張り合いが無くなるのは嫌だし」


「わかった。我慢できなくなったら遠慮なく言ってね」


 雑談している所に犬の様なモンスターが現れた


「さっそく次のモンスターが来たね。多く攻撃すればその分経験値が入るから積極的に戦闘して! 僕がアシストするから!」


「了解! さあ覚悟しろワンコロども!!」


 メアリーはメガウルフに襲い掛かった! メガウルフに4ダメージ!


「アウ!」


 メガウルフの反撃、メアリーは6ダメージを受けた


「やっぱり痛い! あー!噛みついたまま首を振らないで! 私の最近肉付きが良くなったと思ってた足が!足首がぁ!!」


 メガウルフの攻撃を振り解くのに失敗したメアリーはさらに5ダメージ受けた。ショウはメガウルフに蹴りを放った


「なにやてるんだよもう・・・、えい!」


「キャウン!」


 メガウルフは10ダメージ受け、メアリーから離れた


「メアリー!今だよ!」


 メアリーはショウの声を聞いて我に返りメガウルフに攻撃した


「そりゃ!」


 メガウルフに3ダメージ、メガウルフを倒した。ひと段落したところで興奮し息切れするメアリーにショウが話し掛けた


「初期装備にせいで敏感になってるのかもね。防御力が上がれば感度は下がるんだけど」


「はぁ、はぁ…、それになんか動きが鈍いわね。初めは単に操作に慣れてないだけかと思ったけど」


「俊敏性が低いから動きの反応が遅いんだね。もしかしてメアリースポーツとかやってる?」


「学生時代はテニス部だったけど」


「あ~、リアルで動ける人か。じゃあステータスが上がるまで違和感あるかもね。盗賊シーフのクラスにして手っ取り早く俊敏性を上げるって手もあるけど」


「学生時代の話だし、それほど動きにくい訳じゃないから平気よ。それより次よ次! どんどん来んしゃい! もっと叩かせろい!」


 楽しそうに棒をブンブンと振り回すメアリーを見てショウは微笑んだ


「はは、戦闘は気に入ってくれたみたいだね。じゃあ薬草食べて回復してからドンドン進むよ。大目に薬草を渡しけおくから」


「うん!」


 メアリーはショウから薬草を受け取り14回復してから道を進んで、群がるモンスター達を倒していき・・・


「待ちやがれ!」

  「金目のモンおいていきな!」


 ・・・・このクエストの最後の敵である盗賊が4人現れた。彼らを見てメアリーは一言呟いた


「あ、人型の敵だ」


 そして盗賊達は怪しげな笑みを浮かべてメアリーに言い放つ


「何だ貴様ぁ!」

  「舐めた態度しやがって!」

 「みぐるみ剥ぐぞ、オラ!」

 

 メアリーに詰め寄ろうとする盗賊達との間に、ショウが意気揚々と割り込んだ


「そこまでだ!」


「なんだおめえ?」


「騎士として貴様らの愚行! 見逃すわけにはいかない!」


「なんだとぉ?」


「さあ、お嬢さん!ここは僕に任せて下がって・・・・」


 ノリノリで王子様キャラを演じているショウを無視して、メアリーは盗賊達に襲い掛かっていた


「そりゃい!」


「バコン!」


 メアリーは盗賊Aに2ダメージ与えた。ショウは動揺している


「ちょっとメアリー! 人が気持ちよく演じロールしてるんだから、少しは付き合ってくれてもいいんじゃない!?」


「積極的に攻撃しろってショウが言ったんじゃない。せっかくスライムとか犬じゃなくて人型の分かりやすい敵が来たんだから遊ばせなさいよ!」


「人だから戦いやすいって猟奇的でしょ!」


 話してる中にメアリーは盗賊の攻撃に当たり9ダメージ受けた


「一撃が重い!? 直ぐに回復しないと!」


 メアリーは薬草を口にくわえて回復しようとしたが、盗賊の攻撃は収まらない


「ほれほれどうした!」


「ちょっと嫌! 薬草を食べてる間動きが鈍る!」


 メアリーは棒で盗賊の攻撃を防御し、どうにか回復しながら戦っていた


「モグモグッ!」


「そら!」


「モグモグ!!」


 メアリーは8ダメージ受け15回復し次の薬草を食べ、9ダメージ受け12回復し、反撃して盗賊Aに1ダメージ与えた。そうやって薬草を常に口にふくみながら戦うメアリーの姿を見てショウは残りの盗賊と戦いつつこう思った


「ああ・・・、こんな娘の為に盗賊の前に立ったかと思うと情けない! ちょっとはムードを大切にして!」


「モグ! 何か言った? モグモグッ」

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