第3話 同僚が白馬に乗ってやって来た!

 同僚を待っていると大きな何かに急接近されたメアリーは驚いて後ろに思わずさがった


「ヒヒイイイイン!」


「ちょっと何!馬ぁあ!?」


 メアリーはその接近して来た物体が目の前に止まり、馬だとようやく認識できた。その馬に乗った人物が馬上からメアリーを見下ろす


「君がメアリーかな」


「あ・・・」


 メアリーがその男を見上げて見つめていると、その男は馬から降りてメアリーに挨拶した


「ショウ・ジョーンズです。この世界では初めまして、よろしく」


「初めましてメアリー・アプリコットです、よろしく・・・・」


 挨拶した後、二人は黙り込み・・・。やがて笑い出した


「フフフ・・・・」


「ぷははは! 何それ!男のアバター使ってるとは聞いたけど…、白馬に乗って来たんですけどッッ! 白銀の鎧で身を包んだ白馬の王子様が来ちゃったんですけど!」


「アハハハハ! そっちだって僕を見上げた時の上目使い可愛すぎッッ! 気合入り過ぎでしょう! 作るのにどれだけ時間かけたの?」


「1時間くらいかな? そっちはそのイケメン作るのにどれだけかかったのよ」


「早いなぁ! 僕は映画見ながら4時間くらいかかったんだけど!」


「あははは! 私より時間かけてるッッ。それでもなんか喋り方とか表情でリアルの名残りが有るからまた・・・、ふははは!」


「そっちだってッッ、プフフフッ! いやぁー、顔が違っても中身丸わかりだわぁ」


「なんか声のせいでオカマっぽくなってるわよ」


「今は思わず素が出ちゃってるだけだから! 何時もはちゃんとキャラ作ってるから!」


「ははは! どんな?」


 ショウは姿勢を正してポーズを取りこう言った


「こんな感じかな。どうだい子猫ちゃん?」


「こッねッこッッ、ぷふふ・・・、あはははは! ヤバイ!もうやだ、私どんな感じにしよう! お姫様風にする? ふはは!」


 笑いながら会話している二人を見て、それぞれ呟いた


「あ、あの二人リア友だ」

     「リア友と合ってるのか?」

 「リア友とVRで合うとなんか可笑しいよな」

     「違和感で逆にひいちゃう人もいるけどな」

「不気味に見える事も有るからな」



 そんな外野の反応を無視してショウは話を続けてた


「じゃあ取りあえずフレ登録しとこう。そうすればパス無しで連絡取れるから」


おっけぃOK


 メアリーは冒険者カードを出してショウとフレンド登録した。するとショウは馬に乗り手を差し出して言った


「とりあえず僕の所属してる個人ギルドに行こう、さあ手を取って」


 ショウの手を取るとメアリーは自動で馬の後ろに乗った


「おおー! 勝手に動いた!」


「一部の動きはオートでやってくれるからね。じゃあ行くよ、はいや!」


 ショウは馬を走らせるとメアリーは驚いてはしゃさぎだす


「おお!揺れてる揺れてる!」


「え? あげたPCにモーション機能なんて付いてないだろ。カスタムした?」


「実際に揺れてるわけじゃないけど、なんか揺れてる感じ!」


「もしかしてこういうゲーム自体はじめて!?」


「子供の頃に一回ゲームセンターでやったきり! その時は身体が合わなくてすぐやめちゃったけど!」


「まじ! 生きた化石だね!」


「うっさい! ねえ!振り落とされそうで怖いんだけどスピード落としてくれない!」


「アームを僕の腰に回して掴んでみて。アームが固定されて掴んでいるような感じになるから」


「わかったわ!」


 メアリーは言われた通りにすると、ショウの腰に手を回している動きになりアームが固定された


「不安は和らいだ?」


「うん! いい感じ!」


「じゃあもっとスピード上げるよ!」


「きゃ!」


 ショウは馬のスピードを上げると、メアリーは思わず手に力を入れショウの背中に抱き着く


「まだ怖い?」


「少し怖いけど平気! 風も吹いてる感じがするし景色も綺麗!」


「楽しいかい?」


「うん!」


「よかった!」


 そのまま馬に揺られ、颯爽と駆け巡る感覚を味わいながら時はあっという間に過ぎ、目的地の場所についてしまった


「この大きなゲートがそう?」


「そう、ここのゲートの前の受け付けてギルドカードを出すと自分のギルドルームに行けるんだ」


 ショウが馬から降りるとメアリーも自動で降りて


「おっと、また勝手に動いた」


「直ぐなれるよ。ちょっと待ってて、普通は部外者は入れないけどゲスト登録すれば入れるようになるから。中でギルドマスターに会って正式に登録してもらおう」


「わかった。じゃあよろしく」


 ショウが受付のNPCとなにやらやり取り押した後に戻って来た


「これでOK。じゃあ行こうか」


「うん、それにしても、アレね」


 今まで楽しそうな顔をしていたメアリーが暗い声をだして。ショウは馬の手綱を引いて歩こうとした足を止めて振り返った


「どうしたんだい?」


「いやさ…、初めての乗馬デートがアンタなんて・・・。なんか女として大事な物を失った気がする!」


「そんな事で現実にもどられても」


 メアリーはうなだれ、ショウは苦笑いした

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