生ける死者
何のために生きているのか。
答えの出ない疑問を自己に問いかける。
何が楽しいのか、何が嬉しいのか。
誰かに認めて欲しい、誰かに喜んで欲しい。
自分自身だけでは存在意義を見出せない。
悲しい人間、寂しい人間。
かといって命を絶つ勇気は無く、かといって奮起する力も無い。
自分は何をしているのだろう、何のためにここで生きているのだろう。
禅問答、それは無限に問いかける。
もう折れているのだと、なんとなく理解している。
だが自分が認めてしまうと本当に折れてしまう気がして、自分のここまでの人生が無意味だったと認めてしまう気がして。
どうしてだ、なんで自分なんだ。
認めてくれる人、好意を抱いてくれる人。
彼らには助けられる。
だが、否定され続けた人間はどうあがいても卑屈になる。
自己を肯定する術を知らず、趣味と呼べるものすらも嫌いになっていく。
楽しくない、面白くない。
ここに居るのは意味があるのか、誰かの支えになっているのか。
少なくとも誰かの支えになっているのであれば意味がある。
誰かに面白いと言ってもらえたらどれだけやる気になっただろうか。
誰かに必要だと言ってもらえたらどれだけ嬉しかっただろうか。
一度きりの人生ではあるが一人はあまりにも寂しい。
暗闇を歩くに等しい人生だ。
吐き出すこともせず、溜め込み、そして潰れ朽ち果てる。
それがいつ訪れるのか、恐怖しながら生きている。
誰かに頼ることを忘れないで欲しい。
自分のようにならないように、どうか生きる意味を見出して生きて欲しい。
これは終わってしまった、生きていない、動く死者からの伝言だ。
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