第25話高校生時代と祝いのカラオケ
私たちは、それぞれの進路に無事合格した。
そのことに対して、一番喜んだのはギンちゃんだった。ビッくんは自分が合格したと知った途端に気絶していたし、私も腰が抜けてしまった。
「これで、全員が合格したな」
お祝いしようぜ、とギンちゃんは私たちをカラオケに連れて行った。そこで私たちは、これまでの受験勉強の鬱憤を晴らすように歌った。私たちのような生徒はたくさんいて、彼らは自分たちの進路を自分たちなりに祝った。
それは、別れの準備のようでもあった。
進路が決まれば、もはや卒業のときは近づいていた。
卒業すれば、私たちは育った街を出て行けなければない。
私も、ギンちゃんも、ビッくんも春になれば都会で一人暮らしをする。私たちは友人とだけではなくて、生まれ育った場所からも離れるのだ。
私は、このときほどネットというツールに感謝したことはなかった。
コレがあれば、いつでも繋がれる。
私たちは、そうやって繋がったまま離れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます