目覚ノ肆 arts
さて、さっそくヴェインとやらに連絡するとしよう。身体を動かしてみたい感覚はある。
――ピピピッ、ピピピッ……
『もしもし? どちら様でしょうか?』
「Lだ。ヴェインであっているか?」
『おお! 目覚めたんですね。良かった良かった。それで、何用でしょうか?』
「ああ、実はな……」
良かった、連絡先はヴェインであっていた様だ。それからKと連絡をとった事、ヴェイン相手に手合わせをしてヒマでも潰したらどうだと言われた事を話した。
上手く伝わっただろうか?
『なるほど。確かに退屈そうな仕事だ……』
「オペレーターとやらも寝ていたよ」
『それはそれは。ああ、ヒマ潰しの件ですが喜んで受けましょう。私も貴女の力が気になっていまして』
「ありがとう。ではトレーニングルームに集合で」
『はい。用意してから出ますので暫くお待ち下さい』
「分かった」
――ピッ……
良し、トレーニングルームへ行こう。
――30分後。
「いやあ、すみません。お待たせしました」
「大丈夫だ。それよりどんな手合わせをする?」
「そうですね……私は剣を使った戦闘を得意とはしていますが」
「なら、それにしよう。何かそれらしい武器はないか? 素手でも出来ない訳ではないかもしれんが」
「確か刀がニ振りあった筈です。えーっと番号は……」
そう言ってヴェインはトレーニングルームの武器格納庫のロックに番号を入れていく。
なるほど、ここではこんな風に武器を管理しているのか。
――ピピッ、シュイーン……
「ああ、出ました。いやーいつみても凄い刀だ」
「これか……確かに一味違いそうだ」
――ガチャ
「試しにダミーターゲットを斬ってみますか?」
「ああ、そうする」
刀と鞘の使い方をヴェインから聞き、ダミーターゲットを100程出してもらう。
先ずは試し斬りだ。
腰を落とし、目を閉じ、集中……集中……
――ヒュン! ヒュヒュン!
――ガラガラガラァン!
「……ふむ、こんなものか。どうだ、ヴェイン?」
「ほー、こと剣、いや刀に関してはKを凌ぎそうな感じがしますね」
「ほう、それはまたどうして?」
「実はですね」
聞けばKはこの
確かにこの刀は初めて持ったにしては馴染みが良い。
「では、手合わせしましょうか」
「ああ、いつでも構わない」
久々に動かすとしようか。どこまでいけるだろう?
「いきますよっ!」
――シュン!
素早い間合いの詰め方、それでいて音は殆どない。そこから放たれる一閃。
――キンッ!
「速いな……」
「お見事! まさか一手目から弾かれるとは!」
「なんの。では私からいこう」
――カチャッ、ダッ!
「
――キキキキキキキィン!
「なるほどっ! 連撃ですか。確かに凄まじい! ですが一撃が軽すぎますよ?」
「構わない。『
――ゴウッ! ズンッ!
「なっ! これは……今までの刺突全ての威力が一撃に……!」
「今だ。『
よろけたヴェインの後ろを取り、刀を……なっ!
「勝ったと思ったでしょう? しかしまだまだこれからです!」
――キィン!
変形したヴェインの義手ブレードに弾かれてしまった。
これは楽しい事になりそうだ!
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