old castle

STAGE1 曇天の前奏曲

 ショータイム!

「着いていきなり何ですか?」

「いや何故か降ってきたんだよ、うん」

 どうしようもなくて結局麓から徒歩で古城まで来た。全く面倒くさい。

 んで、この装備はなんだぁ?

「おい、ドクトル! 窮屈じゃねえのは認めるが何でピンクのドレスっぽい奴なんだよ!」

「私は青を基調とした装備ですね。心なしか身体能力が向上している様な……」

『ああ、それは気のせいなんかじゃない。小型の電気的刺激ユニットとインナーに新素材『ネオシルカリック繊維』を用いた人工筋肉が体の動きを強化してるんだ。ヴェイン君の実力は確かだけどMs.Kの動きに少しでも近づける様に、と思ってね』

 無駄に高性能だ。腹立つわー。てか新素材出来てたのか。それから私のには人工筋肉をつけたら邪魔だって分かってたらしい。

 まぁとにかく進もう。外から見た限りじゃかなりデカい。その上ボロそうだから無理矢理こじ開ける訳にもいかんし、迂闊にパワーを出せば崩れるのは必至だ。

「クソめんどくせぇな。二手に分かれるか?」

「いえ、二人で行動した方が良さそうです。あまりにもこの城は広すぎる。それに古式なトラップも多そうだ。貴女を信用しない訳じゃないですが力押しで破壊すれば崩れかねませんからね」

「だぁー! わーってる! 壊しゃしねえよ! 脳筋じゃないって前から言ってるだろうが!」

 慎重にいかなきゃ駄目なのは分かってるから!

 と、いきなり変な紋様の門がお出ましお出まし。さーて、解除解除。

『その城は古すぎてコチラから鍵などの解除は出来ません……ケイトとヴェインさんの技にかかってます』

「はいよー。んー? あー、よいしょ、っと」

――カチャン!

「お、開きましたね。ていうか早い……」

「あったりめーだ。普通の鍵くらい開けられるわ。入るぞ」

 楽勝楽勝。何も難しい訳じゃない。電子ロックになると面倒だが。

――ギィィィィイ……

「おっじゃまー。うわ埃っぽい」

「酷いですね……蜘蛛の巣城そのものだ」

『転送された映像からも解析していますが本当に古い城ですね。建っているのが不思議な程です』

 だからオペレーターはいちいち速ぇんだよ! 私らぐるっと一回り見ただけじゃねぇか!

「まぁいい、とにかく進むぞ。てかなんだ? さっきから私らの後ろに飛んでるこの丸っこいドローンは」

『あ、それはボクがデベロッパーさんに頼んで作って貰ったんです。バイザーから以外にも情報が得られますしケイトの動きも良く見れますから!』


 わーお、私はカイトにいつも以上に色々見られる訳か……

 

 うへへ、そりゃいいや!


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