Calling12 会議
よし、作戦会議だ。とにかく私達三人だけではいささかやりにくい。もちろんコアから発せられる気配から私一人で『L』の居場所を突き止められねぇ訳じゃない。
だがそれでは少し遅いし荒い。それに現地でのヴェインとの連係、カイトやオペレーターとの通信連係、ドクトルやデベロッパーにやってもらう準備もある、会議は必須だ。
「とはいっても会議は苦手だぁ……」
「そんな事言わないで下さい。仮にも相手は貴女を超えるとされる者、未知数すぎます。
事前の準備は必須なんですよ」
「分かってるよぉ」
――オホンッ!
あ? オペレーターの咳払いか。仕方ねぇ。仕切り直しだ。
「Ms.Kに託されたコア、そしてヴェインに託されたコア、この二つを解析したところ『L』のものと思われる強力な反応をはっきりと確認出来ました。そこまでの道のりが多少厄介だということもですが……」
「厄介ってなんだよ」
聞いてみりゃなんでも反応の先はトランシルヴァニア地方山奥辺境の古城、しかも気流の関係で航空機の類は近づけないとかいうオマケ付きだ。ヘイロー降下もダメらしい。
「んなら飛行機一個ブッ潰して飛行機ごと急降下で入りゃいいじゃねえか。律儀に玄関からでなくてもいいだろ」
「そんな無茶な……超高高度から急降下なんてできる航空機なんてありませんよ」
「デペロッパーが作ってねえのか?」
「飛行機は作ってないねえ。流石に予算がつかないなぁ。武器の改良はしてあるけどね」
「んなら、ミサイルにでもくっついて……」
「いやそれは無理があるでしょう……貴女は死なないでしょうがミサイルを撃った後が問題です。それに私がそれに耐えられるかどうか……」
はー、デペロッパーにヴェインまで。なんだってんだ。これじゃヴァンパイアハンターよろしく地上から冒険って事になる。聖なる鞭なんか持ってねえぞ。あるとしたら普通の素手だけなんだが?
「たまにはいいんじゃないですか? ボクも見てみたいですし、そういう古城への冒険」
「むむむ……カイトが言うならやってみるか」
「ほほう、それならばその場に相応しい
「……カイトの為だからな。窮屈なのはやめろよ」
「任せてくれたまえ。今回は何時もと趣をガラッと変えるからね」
「はいはい」
あーあ、めんどくせぇ。辺鄙な古城に居るとか私らしくないぞ。そんなとこいたってなんもありゃしねえのにな。多少なりとも動いてないのか?
「Ms.K。もう一つ言いたいことが。その『L』という者、解析の結果殆ど動きを見せていません」
ますます変だ……
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