第二巻 第十八話
第十八話
诺雲:「ここはわたしと穆炎が十年生活したことがある所だから、ひとつ記念を残したい。彼とわたしがここに生活したことがあるのを記念したい。」こう言い終わると、彼女は懐から一枚の羊皮を取りだした。
だらしないおじさんは、にっこりと笑って頷いた。
現代
雲知:「覚えている。」この一枚の羊皮を見て、なんだかわけのわからない悲しみが雲知の心に湧きあげてきた。「突然ある日、あなたはわたしを離れた。蔡允は蔡千守の前世なのか?」
穆炎は頷いた。
雲知:「あなたは彼のために、元の形に戻されても、わたしを離れるのか?どうして?」
穆炎:「わたしは彼の家族を守る神様だ。彼の祖先がわたしの命を救ったことがある。恩返しするために、蔡家族が世世代代に安全、健康になるよう守らなければならない。」
雲知:「あなたは蔡千守の家を守る神様!!!?」
穆炎:「そうだよ。」
雲知:「だけど、その日の朝、あなたはまた彼の身に醤油をかけたの?」
穆炎は眉をつりあげた。「だから、あの時からあなたはもうわたしが人間じゃないことを知っていた?」
雲知は恥ずかしそうに頭をかいた。
雲知:「わたしは兵営に蔡允を追いかけた時、あなたはテントから出てきてわたしを昏迷させた!なるほど、あの時、彼には共犯者がいるのだ。あなた達は一味の連中なのか!!?」
今回、穆炎は恥ずかしそうになった。「あの時のことはもう言わないで。とにかく、蔡允は故意にやったわけではないので、許してあげてね。」
雲知:「じゃ、わたしのお兄ちゃん、お父さんも、あのことを思い出したのか?」
穆炎は眉をしかめ頷いた。
雲知:「なに!!!??MY GOD!」雲知は思わず深呼吸した。「じゃ。。。それはなぜか?」
穆炎:「それを話すと、話が長くなる。」穆炎は眉をしかめた。「こい。わたしについてきて。」穆炎は雲知の手を引いて、頭をさげ呪文を唱えた。そして、消えた。
チベット 松賛乾寺の前にある湖
空気が震え、穆炎は雲知をつれて、湖の前に現れた。
穆炎:「こちらには往生鏡がある。妖怪の過去のことがみえる。」こう言い終わると、穆炎は手まねをして呪文を唱えた。そうすると、湖面の波が荒くたって、一面の鏡が徐々に浮かんできた。
穆炎:「重要なことだけ見せる。」穆炎は目を閉じ集中して、ぶつぶつ呪文を唱えた。
あっという間に、大蛇が蔡千守を水の底に打ったことや、浮かんできた名前を飲み込んだこと、及びその後趙永安に会ったこと、最後学校に来たことなどなど、いちいちと鏡の中に現れた。
翌日の夕方 李雲知の家
李雲知、蔡千守、穆炎三人は、応接間に座っており、引き続き先週の語学を補習していた。今回、李雲知が話したのは阿房宮賦である。(注釈:賦は古代古典文学の形式の一つ)
雲知:「蜀山禿、阿房出。こちらの禿は、蜀山にある木がすべて切られたので、山が禿げてしまったという意味。出は、こちらでは動詞として使われている。阿房宮はできあがり、完成したという意味。これらの六文字だけで、これほど多くの意味を含んでいる。」
千守と穆炎はしきりにうなずいた。
雲知のお母さん:「はい、はやくお菓子を食べに来なさい。」雲知のお母さんは三つのあずき餅スープを三人前に持ってきた。
千守、穆炎:「ありがとう、おばさん。」千守と穆炎はおとなしくもらった。
雲知のお母さん:「ええ、いい子だね!」雲知のお母さんは優しい顔をしていた。お母さんはまた振り向いて雲知に「来週は中秋節だから、明日静安寺に行って60個の菜食月餅を買ってきて、阿娘にあげなさい」と言った。
阿娘は雲知のお祖母さん、お祖母さんは寧波人だから、寧波の呼び方に付随した。
雲知のお祖母さんは、菜食主義の仏教信者である。そのため、毎年の中秋節に、家族はいつも静安寺に行って菜食月餅を買ってきて親孝行する。
雲知:「はい、わかった。」
千守と穆炎は二人とも頭をあげて、媚びて言った。「わたしも行きたい!」
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