第二巻 第四話

第四話


西漢  呉国兵営 馬牧場



蔡允は盗んできた羊皮を取りだして、得意そうに穆炎に渡した。「これだ。わたしが盗んできてよかった。恒将軍は、当時、呉王様の部下から匈奴の言葉がわかる人を探してこいと命令した!危なかった!」


穆炎はこれをもらって見たら、驚いて顔色を変えてしまった。「これは違う!」


蔡允:「え!!?」蔡允はそばで体中が震え、あわてて言った。「意味がわからないが、見たことがあるの。本当に匈奴の言葉なのよ!」


穆炎は眉をしかめ、手元の羊皮に書かれているすべての内容を読み終えると、ゆっくり頭をあげこういった。「これは、十数年前に、呉国は捕まった匈奴の捕虜から、捜し出した羊皮のはずだ。将軍は匈奴の王様が書いたものかどうか、比較するために。。。。残念ながら、彼は、漢人も書けることは知らなかった。わたしのような匈奴の言葉に精通している先生がいるから。」


蔡允:「つまり、王様が書いたあのものは、いま。。。。恒将軍の手にあるのだ!?」蔡允は思わず話が     。

穆炎は遠方を眺め、目を細くした。


当日、恒将軍の書斎の中


一人の匈奴の捕虜は羊皮を持って、「あなた達のなかの一人が、はやく帰って、大将軍に会いに行け!」

と読んでいた。

恒将軍は頷いた。「この手紙から見ると、皇帝がわたしのそばにスパイを置いた。。。しかも、二人のスパイを。」この時、恒将軍のそばに立っている守衛は、正に穆炎の部下である、曾瀚だ。


教室


先生がみなさまの驚嘆を聞いて、振り向いて見たら、思わず呆気にとられた。「千守!あなたは目が覚めた!!?」


千守は頭を掻いた。「ええ、昨日の夜、目が覚めました。」


先生:「あなたはよく休んだほうがいいのよ。すぐ学校に来なくてもいいからよ。」先生の声が優しかった。

千守:「はい。わたしはただ、、、、早く学校に来たいと思います。中間テストに間に合わないと心配していますから。。。」

先生:「これは、親とよく相談したほうがいい。お父さんとお母さんはあなたが来ることを知ってる?」

千守:「はい、彼たちは同意しました。」


この時、千守のそばにいた、見を隠した趙永安は、穆炎ににっこり笑った。それから姿が消えた。


趙永安 三素草本屋


空気が震え、穆炎は趙永安の本屋のロビー中央に現れた。趙永安はソファーに座って本を読んでいた。


穆炎:「あなたは千守には何をやった?あなたは法力で彼に人間の世界に戻らせたなんて、狂っているか?これは天界のルールを違反したこと、知っているだろう!」


趙永安:「まず、わたしは法力を使わなかった。」趙永安は本を閉じ、ゆっくり頭をあげた。「それから、ほっといて、人間の世界を混乱させたままにしたほうが、天界のルールを違反したことだ。あなたが招いた災は、いま、片付けた人がいるので、わたしに感謝すべきじゃないか。そうじゃないと、あなたのような蛇では、千守はもし人間の世界に戻れなければ、あなたは千年修行したって、無駄だ。」


穆炎は眉をつりあげた。「法力を使わなかったって?」


趙永安は頷いた。「わたしはただあなたの過去を彼に知らせただけだ。あなたの過去は、つまり彼の体内に残った最後の三分の一の魂の記憶であること。」


穆炎:「畜生!」穆炎は一瞬、趙永安の手前に移動し、彼のえりをつかんだ。


趙永安はびくともしなかった。「あなたは本当に愛がほしければ、愛の形で得なければならない。あなたはまだ修行中であること、忘れないでくれ。」


穆炎は手を外した。「わたしは修行なんか要らない!修行して仙人になって何かメリットがあるか!?これもだめ、あれもだめ。わたしは人になりたい!本当の人!」


趙永安は笑った。「あなたは西王母のために酒の留守番をしたいって言ったじゃないか?どうなったの?もう要らない?」


穆炎は青筋を立て、目を閉じて、消えた。


趙永安はちょっとえりを片付けて、ため息をついた。



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