第二巻 第三話
第三話
一方、西城門のそばにいる恒将軍たちはけがはせず、驚きながら十数個のロケットが空に浮いているのを見ていた。しばらくの間、みんなはびくともせず、息もできないほどだった。だれかわからないが、城の中央に指差して、「鬼だ!!」と大声で叫んだ。
恒将軍はじっと見ると、金色の目をしているその人も自分を見ていた。彼は思わず「穆炎!!」と驚きの声をあげた。
一時、恒将軍の後ろにいる人たちは悲鳴をあげながらあちこち逃げて行った。
穆炎は眉をしかめ、蔡允に「わたしは人を殺せない!!」と心の中で言った。
蔡允はすぐ納得して、刀を持って固定された敵に追いつけ、それから殺した。
この時、城の外では戦いの声が響き、漢軍は相次ぎ入ってきた。
穆炎は振り向いて西門を眺め、将軍と目を合わせた。「この状況だとわたしは行かなければならない」
穆炎は目を閉じて、消えた。
「その人は穆隊長じゃないか?」この時、将軍の身近な守衛はまさに穆炎の部下である、曾瀚だ。
穆炎が消えたのを見て、曾翰は突然、剣を抜き出して恒将軍の背中に差し込み、胸をつらぬいた。
空気が震え、穆炎は現れた。
恒将軍は一口の血を噴き出し、「穆炎!」と言って、穆炎の懐に倒れた。
漢軍は東城門から入城し、蔡允は手を高くあげ、「わたしは王様から派遣されたもので、自分の人だ!周亜夫将軍をはやく連れていって!!」といった。人たちは半分信じられないように、蔡允を縛って周将軍の前に送った。周亜夫はすぐ彼のことがわかり、「ほほほほ、わたしたちはまた、会ったねえ、蔡允!」と言った。
学校正門に立つ蔡千守は、学校でもうすぐ会える人たちを思い出すと、ため息をついた。
「狄子裴!穆炎!」
教室
クラスの担任先生は黒板に、「穆炎」と二文字を書いて、それから振り向いて講義台に上がるようと穆炎に指示した。
穆炎は上がって下のクラスメートを見渡すと、雲知以外に、なんと見慣れた人がいる!その人は狄子裴!「久しぶりだね。曾翰。」穆炎は心の中で思った。
先生:「今日は、わたしたちのクラスに、新しい学生が来ました。穆炎、皆様に自己紹介してください。」
穆炎は一瞬、ぼうっとしていた。これは彼には思いつかないことだが、難しくなさそうだ。
「わたしは穆炎と言います。いままでずっと南京に住んでいましが、今回初めて上海に住むようになりました。皆様と楽しく付き合い、楽しい時を一緒に過ごしていきたいと思いますので、どうぞうよろしくお願いいたします。」こう言いながら、穆炎は頭をさげ、雲知をちらっと見た。
ぼうっとしていた雲知は、思わず震えた。「これはどういうことだ?先ほど、彼は穆隊長の穆と言った!」雲知は多くのことを思い出したようだ。これは、彼女の目から読み取れた。しかし、これはあまりにも突然ではないか?
穆炎がゆっくり座席に戻った過程は狭い海底トンネルのように、延々と長く続いたが、無力であった。
先生:「これは今日の宿題だ。」先生は黒板に問題を書いた。
穆炎は隣のクラスメートが手にボールペンを握って速いスピードで写しているのを見ると、思わず歯を剥き眉をしかめた。彼は元々字があまりに読めないし、一生のうち西漢時代のみ、诺雲が彼に字を書くことを教えた。それ以降、字の練習をしたことがない。現代になって、ボールペンを握って、はやいスピードで字を書くなんて、いうまでもない。
穆炎は口を歪め、瞬きをした。そうすると、隣のクラスメートと同じようなボールペンが穆炎の手元に現れた。彼は、深呼吸して筆を握ってノートに「雨」という字を書こうとした。案の定、七歳の子供よりあまりにも醜い字だった。穆炎はいらいらして筆を捨てて、窓の外をちらっと眺め。
ふい見慣れた人姿が目に入った。それは蔡千守だ。
「そうだね、趙永安はあなたに人間の世界に戻らせたよね。あの土地のことと言ったら、すごいなあ。。。」穆炎は心の中で思った。穆炎は目を細くして千守をみた。今回、初めて知り合った時の親切ではなく、底知らずの冷たさだ。
近くに座っている雲知も同時に門に立っている千守を見たので、思わず「千守!!」と驚きの声をあげてしまった。
クラスメートたちも一瞬、彼を見て、一斉に「蔡千守!!蔡千守だ!!」と驚きの声をあげた。
千守は頭をだし微笑みを浮かべながら手を振った。それから、壁の隅に座っている、驚いた顔をして、自分を眺めている狄子裴をちらっと見た。穆炎の反応と同じように、千守はぶつぶつ一つの名前を言った。「曾瀚」。
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