凹ませてゴメンー意外にナイーブな人ー(1)

今、6月の下旬。

例年、大家さんの畑の一角を借りて作る私たちの菜園は、この時期、植えて1カ月くらいの野菜の苗たちがスクスクと育ってるはずなのに、今年は畑を借りられないことになりました(涙)。


そもそもはベランダでささやかに始めたものだったけど、たまたまプランターに植える作業をしてる時に通りかかった大家さんが、「そんなんじゃ大したものはできないでしょう?」と言って、うちの畑(の一部)を使いなさいと自らすすめてくれたのがきっかけだった。


ただ、大家さんが畑を始めないうちは、こちらから「今年も…」とお願いするのははばかられるので、開始時期がいつになるのか自分たちで決められないし、毎年貸してくれる気があるとは限らないので、大家さんが何かを植えてスペースが余ってるように見えてからはじめてお願いしてみて、それでOKが出るかどうか、というなかなかデリケートで難儀な手順を踏まねばならず、その季節になると若干気が重いというのが正直なところ。


2年続けてむしろ積極的に貸してくれてたのに、次の年は実は貸す気がなかったらしく、申し出たら「う〜ん」と言われてしまったこともある。もちろん、その気がないならこちらは諦めるだけだけど、あとから「去年の半分のスペースならいいよ」とか言ってきて、「いや、ムリにお願いするつもりはないので…(けっこうです)」と恐縮して言うと、半分でもいくつかは植えられるでしょ、と促され、「ムリしてないかな、本当にいいのかな」と半信半疑で肩身の狭い感じで使わせてもらったり……。


こういう駆け引き?、攻防?、何と言うかわからないけど、実は私の一番苦手とするところだ。

相手の気持ちをあれこれ読み過ぎてモヤモヤしっ放しだし、気を使って疲れる。

でも菜園は、成功すれば、買えば高い種類の野菜も手軽に食卓にのせられて重宝するので、やれるものならやりたいという欲が結局は勝って、これまで何とか途切れずにやってきた。


M夫くんは、そんな私を「考え過ぎ」「気を回し過ぎ」と呆れながら傍観していた。当初はM夫くんの方が畑に一生懸命だったので、一昨年、「だったら、M夫くんが大家さんにお願いする役をやってくれる?」と言ってみた。

M夫くんは「(そんなこと)おやすい御用だ」とばかりにわざわざ大家さんの家に出向いて、「OKだったよ」とドヤ顔で帰って来た。

大家さんは女性なので、こういう場合は男性が言った方が話が早いってことなのかなぁ、なんて思って、以来M夫くんにその役を頼んでいた。


ところが、今年は例年に比べて大家さんがなかなか作業を開始しなかった。草ボウボウになった畑を見ながら、二人ともヤキモキしながら待っていた。そしてついに先週、苗が植えられてあって、いつもの借りてるスペースが草ボウボウのまま残されてたので、昨日、出張から帰って来たM夫くんが、私の前で大家さんに電話をした。


その結果が、冒頭書いたように「NG」だったわけなのです。

なんだかんだ言って、初めてのことだった。2回くらい、スンナリ使わせれくれるつもりじゃなかった(らしい)年があったけど、最後にはOKになっていたので。

大家さんの気まぐれ具合が、こちらにはまったくわからない。まあ、今年は何を植えようかという計画の段階で、いろいろ態勢も変わるだろうからしょうがないのだけど。


で、M夫くんである。

電話を切って私に会話の内容を伝えて、「どうして今年は?」「私が去年大家さんに何か気を損ねることでもしたのかな??」とかグダグダ言ってる私に反応を返すこともせず、気づくとM夫くんは明らかに凹んでいた。


「あれ?凹んでる? やっぱり? 拒否られるとそれなりに凹むよね!?」

やっと私のかつての気の重さをわかってくれたかとばかりに、たたみかけた。

するとM夫くんは「う〜ん」と唸ってからこう言った。

「畑が借りられないなら、ベランダ菜園の方をもっと早くから始めておけばよかった。。。」


え? そっち!?


今日も、うちの窓から見える畑が視界に入るたびに、モヤモヤした気持ちになる私。

このモヤモヤの中には、大家さんへの「なぜ?」もあるけど(もちろん大家さんの畑なので、どうするかは彼女の自由ということはわかっている)、ほかにももっとイロイロ含まれてる。


長いので一回切ります。

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