グリグリーこの話の行方は…ー

私はとても気が弱い人間なので、何か腹が立つ出来事や人に遭遇しても、多少怒ったりしてみせることはあるけど、たいていは最後まで怒りをぶつけ切ることができない。


よく巷では、そういう時に憎っくき相手の名前を叫んで悪態をつきながら、ムンクの叫ぶ人の風船みたいなのにボカスカとグーパンチを喰らわせたり、バッティングセンターでボールを相手に見立てて遥か彼方へかっ飛ばしたりしてストレスを発散する人の話を聞いたりする。

そこで、お上品な私が怒りをおさめるにはどういう発散方法が効くかと考えた時に思い浮かんだのが、クレヨンしんちゃんだった。心の中で、相手にグリグリ攻撃する場面をイメージするのだ。これを私はひそかに「『みさえ』する」と呼んでいた。


で、うちのM夫くん。

前から見ると、ハイジのアルムおんじを黒髪の和顔にしたというか、カールおじさんというか、そういう感じなのだけど、後ろから見るとなぜか、耳の下からアゴへのラインがちょっとふっくらしてて、野原しんのすけを彷彿とさせる。


ある日、二人でふざけ合ってる時、M夫くんが何かの拍子に私の両手を自分のこめかみあたりに持ってきたことがあった。そこでとっさに私は、「みさえしてほしいの!?」と叫びながら、げんこつで”やさしく”両こめかみをグリグリしてあげた。

すると、酔っていたM夫くんは涙目で「違う、違う」と逃れようとしたのだけど、それがあまりにかわいくて可笑しかったので、それ以来、何かあると私は「みさえだよ〜」と言って、グリグリしたりして遊んでいるのだ。


というわけで、この話は私のペンネームの由来の枕だったわけだけど、この私に「みさえ」以外にピッタリ来るペンネームがあるでしょうか!?

と、思ったわけなのでした。

で、名字はどうしようと考えた時に、M夫くんと私のフルネームをバラバラにして、適当に文字をピックアップしてつなぎあわせてるうちに何となく出来上がったのが「たまき」だったという、なんとも主義主張のないゆるい成り立ちとなっております。


ところが、あとから気づいてびっくりしたことには、この6文字全部が夫婦二人のフルネームの中にちゃんと含まれてました。つまり「み・さ・え」も。

ノロケるわけじゃないですけど、ノロケてます(笑)。


しかし、M夫くんはまだこのエッセイのことを知らない。


※この投稿は、いつも楽しくエッセイを拝読させていただいている方たちが、最近、相次いでペンネームの由来を公表していたので、「あなたの番です」な気分で書きました。


M夫くんメモ:

このまましばらく、このエッセイ(=私の活動)のことは知らないでおいてもらおう。

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