これって、スピード婚?ー聞いてないよ〜ー

自分が結婚することになった時は「信じられない」尽くしだった。

その展開も信じられなかったし、いいトシをして信じられないくらい幸せだった。


お互い、インターネットの婚活サイトなんかで本当に結婚する人がいるなんてまったく思ってなくて、気休めに登録していただけなので、そういう意味でも信じられなかった。


ちょっと離れていたので会ったのは7回、初めて会ってから9カ月しか経ってなかった。

それも、つきあってるのかどうかさえ確信が持てないようなものだったので、急展開した時は「なんかあやしいから、ちゃんと相手のことを調べた方がいい」と言った友だちもいたくらいだった。


私にとってM夫くんは、見た目から始まったものの、実際に会ってみたら話は合うし、無愛想だと自己紹介されていたので、ちょっとでも笑顔を見せられると「あ、笑ってくれたぁ〜」「笑顔かわいい〜」とズッキューン状態。いっぺんに大好きになり、理想の人だと思っていた。


でも、頻繁には会えない環境でメールが大事なツールなのに、忙しいのか返事が来ないことも多々あって、先が見えず、やむを得ずほかの選択肢も視野に入れていた私。


もう一人の選択肢(婚活サイト経由ではない)の方は、積極的にアプローチして来てくれて意図がわかりやすい。そのまま行くとその人に押し切られそうな状態にすらなっていた。次回のデートでは決めにかかられるかもと思っていた矢先、M夫くんのSNSにすごく気になることが書いてあった。


今まで一度も電話をしたことがなかったのに、その時はなぜか今M夫くんに絶対に電話をしなければと思い、つながらなければそれも運命だと腹をくくった。


その電話の結果として突然こうなったわけで、その巡り合わせも何もかもが信じられなかった。

そして、それまでの人生経験を総動員して想像してもこの域には到達できなかったくらい、つまり想像以上に幸せだった。


結婚って、それなりの長さのそれなりの密度のつきあいを経て、その延長線上にあるかないか。あったとしたら、ある意味当然の帰結というか、あくまでそのおつきあいの中のピークみたいなもので…と、想像できる範囲の幸せ具合だと思っていたのだ。

長過ぎる春のあとだったりすると、それほどの感慨もない自然過ぎる現象か、籍入れとくか、くらいな感じとか。


ところが、私たちの場合は、つきあってるのかさえわからない状態から、いきなり「迷っていたけど決めました」だったわけで、青天の霹靂からの半信半疑で、喜んでいいのか、まだ慎重に見てた方がいいのかとか、今までにない、いや、周囲でもあまり聞いたことがないパターンだった。


とにかく私はもともと好きだったから、そこからすぐにリミッターがはずれてもっと好きになり、形としてもそれまでのおつきあいもどきから、舞台で言うところの完璧な場面転換が行われた格好になったわけだ。


しまいには、M夫くんがこれまで女性と積極的に関わろうとして来なかった、おつきあい経験のあまりない人だったので、慣れていない彼のドギマギモードからこっちも中学生状態に引き込まれてしまって、思春期の初恋が叶ったくらいのインパクトがもたらされたわけだ。


ズルいと思った。

友だちとかみんな、ふつうに私の想像の範囲内くらいなテンションで結婚してたように見えたけどさ、実はこんなに幸せな思いを私よりずっと前に味わっていて、しかもそれを隠していたの!?…知らんかった、も〜、ズルいっっ!!こんなに幸せだって、言っといてよぉ〜


ワケわかりませんが、それが結婚に際しての私の感想です。


だいぶ前に結婚した友だちにこの感想をぶつけたら、「えー、どうだったかなぁ」「そんな気もするけど、もう忘れちゃった」そうで。


あの時の私は、友だちたちのその冷めっぷりも信じられなかった。

しかも、何年も経った今でも、M夫くんの新たないいところ、面白いところを発見し続けているので、新鮮味も失われていないし、むしろどんどん好きが増してる気さえする。

自分でも信じられないけど、本当の話です。


M夫くんメモ:

「常識」とか「ふつう」が通じない(時に反発してくることもある)。

でも、そんな「ふつう」に縛られないM夫くんの行動が新鮮で強烈なインパクトを与える場合もある。

備えよ、常に。

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