飼○員の苦悩ーむやみにエサを与えるなー
数日前、また新たな楽しみを発見した。
調理中、気づくと、料理ができるそばから立ったまま食べてるってことがあるけど、連休中のその日も、M夫くんと私はそれぞれ台所で好きなものを作りながら、平行してパクパクと食べたりしていた。
そして、先に食べ終わった私、ちょっと台所を離れて戻ってくる時に、家具の後ろに自分が半分隠れるような位置から、台所のM夫くんを覗き見る形になった。M夫くんの前には水切り棚もあり、その隙間からパクパク食べるM夫くんが見える。
ぷぷぷ。
これって、動物をそっと物陰から観察してるみたい。しかも、何かの隙間から見ると、珍獣感ハンパない。
そうやって、しばらく見て楽しんだ。M夫くんの食べ方の細部を。
おぉ、お茶飲んでる。あ、(サンドイッチを)下から迎えに行った…。などなど。
私は、男の人の旺盛な食欲を見るのが大好きだ。気持ちいい。それだけでこっちもお腹いっぱいになる。
元カレの中に、居酒屋などに行くと次々大量に注文するヤツがいた。最初は、どんな食べっぷりを見せてくれるのかと期待した。でも、全然食べずにいつも残すので、ある時、食べないならそんなに頼むのやめたらと言った。
すると「盛り上げようと思って頼んでるんだから、食べてよ」と不機嫌そうに言った。いや、自分が食べなよ。
いろいろ合わないヤツだった。好きなところもあったのだろうけど。
それに比べてM夫くんは、私がふつうに頼んで食べ切れなかった分まで食べてくれる。苦手な食材も処理してくれる。自分は自分で大盛りを頼んでいたりする。
もう私はホレボレして、毎回M夫くんの食べっぷりを鑑賞する。
M夫くんがパクパク食べていると、それはすごく正しい自然の摂理のように思える。野生の王国(古っ)のようにスンバラしい光景だ。
というわけで、M夫くんにも残飯処理という任務があり、やっぱり痩せられない。
そういえば、「作り置きおかず」で痩せる、というのがはやり出したころ、これぞグータラ&ダイエットの一石二鳥とすぐに飛びついたのだけど、作り置くためにまとまった時間を確保するのが性に合わなかった。そんな時間があったら、今すぐ食べるのでないものを作るより、もっと好きなことをしたいという気持ちに勝てず。
そこで妙案を思いついた。どうせ、いつもの食事でも多少余ったりしたものをあとでまた食べたりしてるんだから、それを意識的に多めに作って、わざと余らせてストックしていけばいいのでは? と。
ところが、わざと多く作る時に限って、M夫くんはおかわりして全部食べてしまうのだ。私も旺盛な食欲を見せつけられると弱いので、止めるどころか見惚れてしまう。だもんで、意図に反してM夫くんは太っていった。
M夫くんには、作り置きおかずでダイエットは通用しなかった。おそるべし。
M夫くんメモ:
M夫くんを痩せさせるべきかは、いまだ方針が定まらない。
私の好きな体型を維持させつつ、健康にもよくてたくさん食べても大丈夫な食事内容や食事方法を確立できてない。グータラ言ってる場合じゃなく、本気で考えなくては。
ちなみに、エサを、じゃなくて、食事をしている様子を覗き見する時は、手づかみで食べるようなメニューが望ましい。生態を観察している雰囲気がいや増す。
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