M夫くん、発見さる。ー発見しないでください!?ー
なぜか、婚活サイトの中にいたM夫くん。
あとになって思えば、インターネット回線の中に住んでいた、とでも解釈しないと、人柄からして本来はそんなところにいるはずもない人だ。
事情はさておき、M夫くんの情報を見ると、写真がついていて体型も申し分ない。
居住地もトシも近い。
ただ、プロフィールが変わっていた。
ふつうは、いいだけ盛っている。信用して会ってみると別人のように感じるくらい、ウソが混じってる場合も多い。(あるいは、本人の思い込みか理想か)
なのにM夫くんは、「やる気あるの?」っていうくらい、マイナスでネガティブなことを書いてる。
思えば、そこで思い切り引いてしまわなかったのも運命だったのか。
「なんて、正直な人なんだろう」
それが、私の感想だった。むしろ、好ましく思えた。
趣味も合いそうだ。
さっそくアプローチ。
でも、1カ月くらい反応がない。(やる気なし!?)
もう忘れかけていたころ、やっと返事が来てびっくりした。
そして、メールを読んでまたびっくり。
警戒心バリバリで、軽く「拒絶?」と思わないでもない語り口。
婚活サイトの場合、女性→男性よりも、圧倒的に男性→女性のアプローチが多い。だから、たいていは女性の方からアプローチすると、よほどのことがない限り好意的に受け止めてもらえる、はずだった。
なのにM夫くんのメールは、突然得体の知れない生き物に遭遇したネコみたいに、ちょっと威嚇モード。「寄るな触るな」みたいな空気をまとっている。
こんな自分にアプローチして来るなんて(と卑下もはさみつつ)、何か裏があるに違いないとまで思ってるようだ。
が、そこでも引いてしまわなかった私、もう運命としか言いようがない。
M夫くんの、相手の正体を確認するための(?)ちょっとイジワルな質問にていねいに答えるメールを返し、どうにかこうにか会う約束を取り付けた。
正体があやしくないとわかると、意外にあっさりしたものだった。
M夫くんメモ:
君子危うきに近寄らず。あるいは、確認は怠らず。
でも、安全を確認し、態勢が整ったら、積極的に探求に乗り出す。(気が向けば)
こちらは、その気になってもらうための協力を惜しんではいけない。
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