M夫くん、発見さる。ーなぜ、そんなところに?ー

そうだ、もう見た目で選んで、こっちから突撃しよう。


婚活も、かれこれンン年になろうかというある日、突然ひらめいた。


それまで、知り合いからの紹介、相談所の紹介、婚活サイトなど、向こうからアクセスをしてきてくれた相手と会うだけで婚活してる気になっていた。

でも、受け身だと、会ってみても決め手がない。


相手は、こちらのプロフィールや、相談所ならスタッフの推薦の辞をふまえて「会いたい」と思ってやって来る。

こちらも、事前にそれら情報を見たり聞いたりできないわけじゃないけれど、その時点でこちらでも相手に対して何か積極的に引っかかりがなければ、「会いたい」にはならない。

それでも会ってみるのは、「実物に接したら、引っかかりができる(いいと思えるところがある)かもしれない」可能性があるからで、ほのかに期待しないでもないからだ。


でも、そうはならなかった。

そして、私はつくづく「自分から好きにならないとダメ」なタイプなんだと思い知った。(思い知るまでが長かった)


婚活サイトには、まったく期待しないで登録した。

知り合いからの紹介や相談所もそろそろネタ切れになって来て、ウンともスンともならない期間が長くなって来ると焦る。その紹介と紹介の間の長すぎる隙間を埋めるために、「やってる」「努力してる」感を出すために、何かほかの手段も持っておきたいと思っていた。


そんな時、たまたま知り合いにすすめられたのが、とある婚活サイトだった。それまで、そういうものにまったく興味もなかったし、信用できないとかこわいとか思っていたのに、どうしてか、その時は即サイトにアクセスして、スルスルッと登録してしまった。


気軽なツールなせいか、1年くらいの間にずいぶんたくさんの人から申し込みを受け(女性の方が圧倒的に優位らしい)、実際に何人にも会ったけれど、幸い、いい人ばかりでネットのこわさを経験することもなく、活動としては悪くなかった。

でも結局、ただ隙間を埋めてるだけ、の状態が続いていた。

こんなこと続けていて、本当に結果は出るのか…もう疲れて来た。


冒頭のひらめきに至った経緯はそんなところ。


ある年が明けたタイミングで、そんなふうにふと方針転換を思いついた私は、さっそく自分からサイトの中の人々を検索して回った。

顔写真付きの人で好みのタイプ、写真がついてなければ、体型が太めとか書いてる人。


そして、私は、M夫くんを発見した。


M夫くんメモ:

M夫くんも時に魔がさして、自分のキャラに合わないことをするけど、驚いてはいけない。理由はある。

これは推測だが、婚活なんて柄じゃないと思っていたからこそ、コッソリできるネットでの婚活を選び、戯れに登録したのではないか。

むしろ、婚活サイトの「婚活」という側面よりも、デジタルツールであるという形態の方に親和性があったのかも。

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