本日のひとりごはん
こんにちは!
このエッセイでお会いするのも本当にお久しぶりですね。
ついつい、日々の出来事をツイッターに書き込んで満足して終わりになってしまっているのですよね。
だから連載ものの執筆も進まない……読者さんすみません。
さて今日は、愛車の六か月点検の時期が来たのでディーラーの店舗へ行ってきました。
予約時刻はお昼どきで、近くに人気の天ぷら屋さんがあるので、車の点検中昼食をそこに食べに行こうと決め、昨日から楽しみにしていました。
ディーラーの好青年に車を預け、一通り説明を受けてから
「所要時間は一時間くらいですよね? ちょっと外出してもいいですか」
と訊ねると、いい笑顔で
「いってらっしゃいませ」
と送り出してくれました。
まず素敵な雑貨屋で髪留めを買って、そしてあのお店で天ぷら食べるんだ!
そう思ったのですが。
ふと、道端のDAISOが目に入ってしまいました。
「おめえが二千円の髪留め使おうが、百円(税抜)のだろうが、誰が気にするんだよ、お・ば・ちゃ・ん!」
天使のような悪魔だか、悪魔のような天使だかが耳打ちし、それもそうだね、と納得してしまった私は、DAISOの入り口に吸い込まれ百均の髪留めを購入してしまいました。
とぼとぼと歩きながら、こう思います。
いいのよ、これから娘たちの学費がかかるし、節約しなきゃ!
髪留めはともかく、天ぷらはちゃんと食べる!
あんなに楽しみにしてたんだから!
そして天ぷら屋さんに着きメニューを見ていると、さっきの天使だか悪魔だかがまた囁きました。
「この店の天ぷら、うめーよなあ? おめえ、亭主があくせく働いて娘が一生懸命勉強してるって時に一人でいい飯食ってくつもりなんだよなあ? いいご身分だなぁおい」
そうよ、私はいいご身分なのよ! とも思うのですが、家族へ食べさせてやりたいという気持ちがむくむくと膨らみます。夕食は買って帰った天ぷらを使ってちょっと豪華なうどんかそばにしよう、きっとおいしいぞーと思った瞬間、私はオーダーしかけていたものをすべてテイクアウト用に包んでもらっていました。
そうなると私が昼食に天ぷらを食べると夕食のメニューとかぶります。今、揚げたて天ぷらをここで食べていきたいと思うのは誰しも思うことでしょうが、やっぱり家族と一緒に天ぷらうどんが食べたいので、諦めました。そのままテイクアウトの包みを抱えて店を出てまたとぼとぼ。
ディーラーに預けていた車を受け取り、運転しながら考えます。
天ぷらは夜ご飯に回したけど、そういえば帰る途中に洋食屋さんがあったな。
あそこのチキンカツおいしいんだよね。
じゃあそっち食べて帰ろう!
そしてその店の駐車場へ右折しようと思ったとき、後ろの車が煽り加減なのに気が付きました。ブレーキを踏むと追突されそうな車間距離です。
結局タイミングを逃し、私は洋食屋を通り過ぎてしまいました。
いやまだチャンスはある!
家の近くのスーパーで、激安お惣菜買って家で食べよう!
とにかく自分で料理しなくていいなら何でもいい、という気分になってきた私は、スーパーに寄ることにしました。
買うとしたら、唐揚げとか酢豚とかチキンカツとかその辺でしょう。
スーパーはいよいよ近づいてきます。
すると、最後に天使のような悪魔のようなやつがまた言い出したのです。
「明日、食材が届くんじゃなかったかー?? すんげーかさばるやつー!」
……そうでした。
明日、ディスカウント通販食材が届く予定になっていて冷蔵庫のスペースを確保しないといけなかったのでした。冷凍室も、冷蔵室もです。
家に残っている数々の食材を思い、私は渋い顔をしながらスーパーの前を通過しました。
結局、昨日から楽しみにしていたことは何一つできなかったのです。
帰宅して、冷凍庫から牛細切れを出し傷みかけた白菜と塩コショウで炒め合わせて、冷えたもち麦ご飯にのせてポン酢をドバドバかけて食べました。
味?
そりゃあこの私が作ったものですもの、おいしかったです。
冷やご飯をなぜ温めないかって?
冷めたご飯は、加水加熱でα化して消化吸収されやすくなった米でんぷんが再度β化してしまい、消化されにくくなっているのです。それは翻って、でんぷんが難消化性の食物繊維と似た働きをし、腸の清掃に役立つ上太りにくいということなのです。
もぐもぐしながら、私はつくづく貧乏性の抜けない人間なのだなあ、としみじみした午後でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます