捨てる前に縫う! 編む!

 ここのところ、手芸じみた日が続いています。


 一昨日はコットンリネンの生地で枕カバー縫いました。

 その枕も、お手製だったりします。


 それから古い起毛生地の服を潰して、金魚の屋外水槽用人力濾過ろか装置のフィルターを縫いました。人力濾過装置といっても、100均のザルとボウル・背の高い植木鉢で自作したお粗末DIY品です。


 この濾過装置なかなかいいんですよ。

 金魚をエアレーション・濾過なしで、微生物と植物で水質維持しつつ屋外飼育していると、やっぱり水の汚れがものすごいことになります。

 汚れをこまめに金魚すくいで掬って水替えしても、焼け石に水です。

 こういう飼い方をしている場合、底砂は洗わないほうがよいと何かで読んだのですが、放置すると汚れが沈殿しまくってえらいことになるので、気が向いたら汚い水をひたすら人力で濾過します。


 キッチンペーパーは目が細かいのでフィルターに使うと水は驚くほど澄んできれいになりますが、すぐ汚れで目詰まりを起こし、ひしゃく一杯の水が完全に落ちるまで5分かかったりしますし、ひしゃく2杯ですぐ次のペーパーに交換しないといけなくなります。


 次に、スポンジシートを使ってみましたが最初の水弾きが半端ない上、ザルの形状に沿ってくれず非常に使いづらいです。

 やはり布を3・4重にし雑巾状に縫ったものが一番使いやすいです。


 とりあえず、どんな素材を使って濾過しても腰と肩は死にますが、努力は水質を裏切りません。

 濃くて底砂が見えなかった青水が今朝はだいぶ薄くなり、底砂の粒々が見えます!

 金魚も水生植物たちも、一様に健やかであることよ……


 さらにここ3年くらい、ちょっと作っては放置を繰り返していたバスマットがつい先ほど完成しました。

 古Tシャツを細長くカットして裂き布の太い糸を作って、12号の鉤針でタイプライターのように往復して長編みしていき、大体出来上がったらぐるっと細編みで2周ほど端を補強して出来上がり。


 家人は、風呂場から洗面台の前まで、フェイスタオルを何枚もぽいぽい投げ散らかします。

 怒って、どうしてそんなことをするのかと聞くと、

「だって風呂場から洗面台に行くまでが床が冷たくて嫌だからタオルを置いてその上を歩いてる」

というまことにお大尽な回答でした。


 なので

「じゃあ洗面台の前まで届くデカいマットがあればこういうことはしなくなるんだな?! そういうことだな?!」

ということで、うちの脱衣場サイズに大体ぴったりの特殊サイズに編んでやりましたとも。

 材料費はただみたいなものですが、製作に掛かった日数とか精神力とか手間とか考えると何枚かバスマット買って並べた方が1000倍早いです。

 編み上がるまでの3年間、私は家人のタオルまき散らしに文句を言うだけだったので、さっさと買えよこのど低能が!って話です。


 ともあれ、マットの仕上がりに満足。

 編み目のポコポコが足裏に心地よいです。


 以前こういう風に裂き布でキッチンマットを編んでみたことがあるのですが、編み目に細かな野菜くずなどを落としたときや液体をこぼしたとき、食器を割ってしまったときの破片処理の厄介さでダメでした。

 台所用品としては、せいぜい鍋敷きや鍋つかみくらいしか編めなさそうです。


 そういえば最近、手芸のかぎ針編み界隈でベルギーの裂き布編み用の糸が話題です。

 伸縮するポリウレタン配合のニット生地や天竺生地、伸縮しないコットンやポリエステルなどいろんな種類があります。

 流行の遷移が頻繁な欧州アパレル業界のこと、毎年大量に端布が発生するのでそれを利用して作られたエコ製品だということです。

 ぶっといのでマット類や履物、ごつめのバッグを編むのに向いています。


 でも、それを買わなくてもこうやって使い古しの布を切って自作できるので、みんな買う前に自分の身の回りを見回してみるといいのにな。


 エコを謳った製品がよく売れるのは、リサイクル業の隆盛で再利用資源の循環がさらに円滑になってよいことです。

 自力でリフォーム・リサイクルするためにはそれなりに手間もかかるため、思い立ったらぱぱっと使えるスタイリッシュなリサイクル商品を購入するのも、気軽に再利用資源が活用できることで社会に資すると思います。


 でも、エコな糸は買うのに要らない布製品は捨てるっていうのは、ハンドメイダーとしてはなんか心が痛むのですよ。

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