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「こっちの魔物は襲ってこねぇんだな」

 しばらく歩いた所で感心した様に呟くライト。

「そうだよーダークスは人が一番強いからー魔物は襲ってこないんだよー」

 生命の加護を受けているダークスの人々は根本的に身体能力が高いみたいだ。商人クラスならその辺をあるいている魔物くらいなら楽に倒すらしい。

「そんなに力があるのにスキルも欲しがるんだ」

 非難した訳じゃなく思った事が口に出た。カーミラは下を向く。

「長寿だからー色んなモノが欲しくなるのーでもーパパがやりすぎだっていうのはーわかる」

「ああ、ごめん。そういうつもりじゃ無かった」

「ほんとーの事だからいいよー」

 それでも、カーミラは悩んだはずだ。協力者もその心は分かっているだろう。

「俺は戦うよカーミラ為に」

 俺もその一人でありたい。

「えーミュートは死んじゃやだよーいざとなったらライトを盾にしてー」

「俺は良いのかよ!」

「うそだよーライトもちゃんと生きないとダメー」

「冗談に聞こえないのがこえーよ」

 この二人もすっかり仲良くなった。まあ、初めから悪く無かった。

 俺達はじゃれ合いながら進んでいくけど、目的地を聞くのを忘れていた。

「そういえば、これはもう敵地に向かってる?」

「そうだよー近くの町に寄ってー準備出来たらー倒しにいくよー」

 そういえば3日程の距離と言っていた。そこまで遠くは無いのだ。

 こっちに来てからは戦闘を全くしていないのが少し不安だ。

「なぁ、敵地に攻め込む前に一旦魔物狩っていいか」

 ライトが不安そうに聞くけど、これは却下される。

「戦闘はダメー魔物達が集まって来ちゃうのー」

 どうやらダークス魔物仲間意識が強く一体襲われると次々仲間が集まってるくるそうだ。

「ドランとは逆だな」

 言われてみるとそうだ。俺達の国だと、人が魔物に襲われると人が集まる。おかしな感じだ。

「それなら仕方ない。我慢しよう」

「クソ。感覚が鈍っていく中の戦闘かよ」

「でもー大丈夫ーパパは戦闘力ないからー道具さえ封じちゃえば倒せるよー」

 その話は詳しく聞く必要がありそうだ。

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