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 一瞬目の前が白くなったと思ったけど、次の瞬間には海と砂浜が目の前に広がった。

「もっと荒れ果てた所かと思ってけど、案外綺麗な所だな」

「えーライトひどいーダークスは豊かな土地だよー」

 こう言っては申し訳ないけど、俺もライトと同じ意見だ。目に映る景色に驚きを隠せない。

「何奴だ!」

 そんな呑気ば事を言っていると、後ろから声が飛んでくる。移動を成功していた事で油断していた。

 剣を抜きながら振り返ると、長身でスタイル抜群の美人拳を構えていた――が、次の瞬間には片膝をついていた。

「失礼致しました。無事のご帰還嬉しく思います」

「もーラキラはいっつもそうだー」

 腰に手を当てて怒っているカーミラだけど、全く威厳が無い。

「いえ、姫様に拳を向けた罪はどう償えばいいのか――」

「そんな事はどうでもいいのー敬語をやめてー」

「毎回申し上げますが、それは無理です」

 なんだかよくわからないやり取りが行われているけど、多分いつもの事なのだろう。どこか慣れた感じある。

「それで、姫様。この雑兵共は――」

「言い方わりぃな、おい」

「この二人はねーこっちのミュートが旦那さんでーライトがお供だよー」

 その説明受けてラキラは品定めする様に眺めてくる。

「なるほど、姫様が求めていた協力者ということですね」

 その口ぶりからすると、カーミラの目的も聞かされているのだろう。

「ラキラはねー私の子供の頃からのー親友なんだよー」

 カーミラが嬉しそうにに説明してくれると、ラキラもまんざらでなさそうに頷く。

「数は少ないがカーミラ様の味方がいる。その者達を頼ってくれ」

 その言葉に疑問を感じる。

「ちょっと待ってください。カーミラの計画はどこまでバレてるんですか」

「お前は――」

 ラキラは何かを言おうとして首を振る。少し表情が軟化した様に感じる。

「殆どのモノはおそらく気付いていない。今はドランを攻める事で一杯だからな。気づかれてこそいないだろうが、王の直属の数名が何か勘付いている――とは言っても、何か企んでいると怪しんでいる程度だろうが」

「なるほど、目立たなければ問題は無さそうですね」

 ラキラは大きく頷く。

「ああ、だが油断は禁物だ――それより、カーミラ様。いつまでもここにいるのは危険です。早めに町に移動する事を推奨致しましす」

「そうだねーとりあえずパパの所に向おー」

 話を聞くとここから王都までは3日ぐらいで着くらしい。案外近い事にホッとして動き始める。

「ちょっと待て、お前らこれを付けておけ」

 ラキラから渡されたのは、一枚の紙だ。そこに描かれていたのはカーミラの背中にあった入墨に似た模様だ。

「出来れば見える所に押し当てろ」

 言われるがままに手のひらに押し当てると模様がそのままそこに貼り付けられる。擦っても落ちる気配が無い。ライトは首に貼られている。

「よし、それで少しは誤魔化せるだろう。姫様の護衛だと勘違いされるはずだ」

「こっちの国の技術はすげぇな」

 ライトは関心しているけど、俺は逆に恐怖を覚えつつある。

「便利すぎるもの考えモノ」

「そーだねー」

 小声で言った言葉にカーミラの肯定が返ってきて驚くけど、心は落ち着いた。

「そろそろ追加部隊がくる――姫様を頼んだぞ」

 ラキラに見送られ、俺達は決戦の地を進み始めた。

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