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 結果、手こずる事も無く仕留める事が出来た。3対1だと流石に負ける要素が無かった。近距離で俺とカーミラが挟み込み、後方からライトの掩護。いくら硬かろうが少しずつ削れば問題なかった。

「一時はどうなるかと思ったけど、なんとかなったな」

「この死体はーどうするー」

 辺り一面に転がる死体を指してカーミラが首を傾げている。町に持って帰ってもいいけど、考えてみると正式に依頼を受けたわけでもない。

「ボスは素材に使えるだろうから、それだけ回収していこう。町に報告する義理はない」

「はーい。それじゃーあの二人はー?」

 カーミラが魔物の中に一緒に転がっている2つの人の死体を指す。

「おいて行こう。彼らは勝手について来ただけ」

 町を出るときに話した事を思い出して二人を見ると、黙ったまま頷いてくれた。

「それじゃあ行こう」

「時間はくったが概ね予定通りだな。ここから海沿いに1日行けばもう一つ町があって、そこからまた1日くらいの所が例の場所だ」

 ライトが地図を広げながら確認してけれる。

「これ以上はトラブル無く進みたい」

「だな。まあ、直線だし山もない、危険指定地区もない。大丈夫だろ」

「そーだといいねー」

 だけど、多くの戦闘のおかげで連携も取れてきた気もするから悪い結果じゃない。

 それに、予期せずに新しいスキル手に入った。


 背負う十字架 剣術ランク4 炎魔術ランク3 治癒魔法ランク3 異常回復ランク3 鑑定ランク3 弓術ランク2 解錠ランク2

 導く天使の加護 王者の祝福

 

 やっぱり仲間が死ぬ事でスキルが増えている。こうなってくるとミステルの加護でランクが上がるのがありがたい。

「おいおい。ぬるい事言ってんじゃねーよ。そのスキルも俺様達のモノにしちまえばいい」

 突然耳元から声がしてビックリする。

「驚きすぎだろ。またなって言っただろうがよ」

「またってそう言う意味」

 急に現れたルバレと話しているといち早く気付いたカーミラが近寄ってきた。

「うわー妖精さんだー」

 どうやら他の人にも見えるようだ。

「おう嬢ちゃん。俺様はルバレだ。相棒が世話になってるみたいだな。感謝するぜ」

「感謝するのはーこっちだけどねー」

 エヘヘと笑うカーミラには俺も感謝しかない。

「なんだよ。お前ら誰と話してるんだ」

「妖精さんだよー」

「おいおい。冗談は勘弁してくれよ」

 変人を見るかのような目は演技に見えない。

「そうか。ライトは見えないのか」

 俺とカーミラが特殊なのか。ライトだけが見えないのかはわからないけど前者の方が都合は良さそだ。

「えーライト可愛そうー」

「そりゃあそうだろう。俺がお前と嬢ちゃんにしか見えない様に出てきたんだ」

「ああ、そうなんだ。ライト残念」

「残念だねー」

「つーか。ホントにいるのか!? なんで俺だけ見えないんだよ」

「俺様たち妖精は色々面倒だからな」

「そういう事なんだって」

「だってー」

「だから! 分かんねーから」

 ライトが頭を抱えているが仕方ない。

「だが、実は嬢ちゃんが俺様を見れるってーのは予想外だがな」

「えーそうなのー」

「一応姿を見える様に出てきたが、普通は契約者だけのはずなんだがな。まあ、それすら一部の妖精しか権限はねーけどな」

「つまり、カーミラが特殊だって事か」

「間違いなくな」

「やった♪」

 気になる事は多いけど、カーミラが喜んでいるからよしとする。

「つっても、姿を見せれるのも制限付きだからな。用があるときしか出てこねーぜ。今日は顔見せだからな」

「そうなんだー残念」

「まあ、俺はいつもいるって事は変わんねー。おっと、そろそろ時間だ。じゃあまたな」

「バイバイー」

 ルバレは手を振りながら消えていった。

「それじゃあ行こう」

 思いがけない小休止を挟んで、俺たちは北へ向かう。

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