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 その後は魔物に遭遇する事も無く、魔物の住処まですぐそこまで来た。

「この先抜けた所に海とつながった川があります。その入り江に洞窟があって、そこの奥にボスがいます」

「わかった。それじゃあ、俺とカーミラが前線まで攻めるから、3人は後方から掩護を」

 全員が頷いたのを確認してから合図する。

「行くぞ!」

 カーミラと茂み飛び出した瞬間、魔物があっちこっちにいた。

 直線距離で洞窟を目指そうとしたけど、すぐに魔物が立ちはだかってくる。知恵があるのか連携がとれている。

 こちらが一体倒すと、その隙をついて攻撃してくる。実に厄介だけど対処出来ない事は無い。ただ、体力は確実に削られていく前に進め無い。

「もー。めんどくさいー」

 同じように思っているカーミラが声を上げたと同時に水が跳ねる音がする。

 弾丸の様に魔物が飛んでくるのを目の端に捉える。鱗で覆われた体に突撃されるとダメージは大きいだろう。

 だけど、その魔物が俺にぶつかる事は無かった。ライトに放った鉛玉が魔物を撃ち落とした。さすがライトだ。

 しかし――

「ファイヤーウォール!」

 エイキの声と共に岸に炎の壁が展開される――思わず舌打ちをする。

 飛び出してくる魔物の軌道がわからなくなってしまった。

 水の跳ねる音が続き、炎の壁を突き抜けて飛んでくる。出所がわからなくなったので、全員の対応が遅れる。

 ライトのカバーは完璧だったけど、出だしが見えない数秒のロスが痛かった。目の前の魔物を切ると同時に息の止まりそうな衝撃が俺の背中を襲う。

 それとほぼ同時にカーミラの悲鳴が聞こえる。その隙をついて、魔物が遅いかかってくるのが見える。

 反応出来ない体は魔物が振り下ろす腕を眺める事しか出来ない――が、その腕に弓が突き刺さり、魔物の動きが止まる。

「ナイスだ!」

 ビーバックは自分に役割を分かってくれていた。カーミラの方もライトの掩護で何とかなったみたいだ。なんとか態勢を立て直して魔物を倒していく。

 ようやく炎の壁が弱まり始めた頃には、水中から飛んでくる魔物はもういなくなって、まだ立っている魔物は倒した魔物と同じくらいの数まで減っていた。

「これで半分くらいだ! 押し切れ」

 ライトが掩護射撃をしながら激を飛ばす。魔物の攻撃パターンやスピードにも慣れてくて討伐速度が上がっていく。

 魔物も残り2割といった所で、魔物達の動きが変わる。さっきまではこちらを攻めて来ていたのに、洞窟を守る様に下がり始めたのだ。

「ボスを守ろうってのか」

「ならー殲滅するだけー」

 気合を入れて突撃しようとした瞬間、他の魔物の二倍ほどの個体が洞窟から出てくる。

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