50
「そうか、なら何とかなりそうだな」
聞いてきた話をそのままライトすると、俺の考えと一致した。
「多分、その親玉だけ気をつければいい」
「だな。倒しちまったら恩は売れるし進めるし、いい事尽くしだな」
「そうだねー早く進まいないと戦争が本格化しちゃうしー」
ただし、今日は休息だ。思ったよりも疲労が溜まっている。
「俺は少し町を見てきてから寝るわ」
ライトは足早に出ていく。
「俺も疲れた。風呂に入って寝るよ」
「私もー」
物音に気付いて起きると、カーミラが食器棚を持って部屋に入ってきた所だった。
「おはよー」
「おはよう……それ、どうしたの」
「キッチン借りて作ってきたのー」
良い香りを漂わせる料理は野菜スープのようだ。
「よく貸してくれたな」
「初めは渋ってたけど、残った食材はあげるって言ったら使わせてくれた」
分かってやってるのか 、今一番効果のある口説き文句だろうな。
「ホントに強い」
「んー? 何が」
「気にしなくてもいい」
「そっか。それじゃー食べよー」
今日もカーミラの料理は絶品だった。
朝飯を食べ終えるタイミングでノックされる。返事をする前にライトが入ってくる。
「おっ。丁度良かった」
何がかはわからかったけど、手に持っていた箱をベッドの上に置く。
「俺からのプレゼントだ」
箱を開けると服が入っていた。広げてみると、俺が昨日カーミラに上げた服を露出を減らして男用にした感じの物、さらに一枚のロングコートだ。
「これ、どうしたの」
「いやーな、俺達もいつまでも皮鎧のままじゃなんだしな」
良くみるとライトの服も変わっていた。カーミラが着替えた事に刺激されたみたいだ。
ただ、これだと防御が心配だ。
「それは、大丈夫だ。皮鎧よりもしっかりしたヤツだ」
言われてから鑑定をしてみると、確かに素材は良いものらしい。
「しまったな。それならカーミラもちゃんとしたの買えば良かった」
カーミラは戦闘で怪我をしないし、とりあえず見た目重視にしてしまって考えて無かった。
「何言ってんだよ。それもいい素材だろ。同じ所で買ったんだから」
なんなら、俺達のより良い品だった。
「ライトこれいくらした」
「俺とお前の分合わせて金貨3枚だ」
ぼったくったんじゃない。本来はそれくらいするんだろう。やっぱり、カーミラの時が安すぎたんだ。
「やられた」
一人呟くと二人は不思議そうな顔をしている。
「いや、こっちの話。それじゃあ、さくっと討伐して先に進もう」
細かい事は気にせずに、先を急ぐ事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます