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 カーミラも起きて来たので、地図を広げて作戦会議を始める。

「魔法陣があるのがこの位置。直線距離だと2日もあれば着くよ」

 カーミラが指した場所はロクカド砦を超え、森の最奥部まで行った海沿い。

「砦の近くは通れない。少し大周りして行かないと駄目」

「確実に行くなら一旦この海側まで出て、海に沿って行くってプランだろ」

 ライトは海沿いを指でなぞる。

「でも、確かこの通り道は結構強い魔物が出るはず」

 どちらに行ってもリスクは高い。

「つーかさ、お前は姫なんだろ。別に堂々と砦抜けても問題ないんじゃねーの」

「どうだろうねー。二人は捕虜って事にすれば通れなくはないだろうけど、ヒャゴとメルが全員に情報共通してたら負けだよ」

 確かに、協力して貰える様になったとか言っても、ダークスに戻る必要性を聞かれたら良い返しが浮かばない。

「結局ライトの案が一番」

「行く前に全滅とか勘弁だぞ」

「私もミュートも強いし大丈夫だよ」

 確かに1日前と比べれば強くはなった。だけど、それはスキルが増えただけで使いこなせると同義ではない。

 ライトは諦めたように、投げやりに手を上げる。

「わかったよ。そもそも言い始めたは俺だしな。海に向かうルートで行くぞ」

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