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 馬車道から外れて、テントの張りやすそうな場所を見つける。

「よいしょ」

 カーミラが紙切れ投げると、そこにテントが出来上がる。

「うお! 今のなんだよ」

「私達ダークスは君達と違って魔法が使えないから、こういう便利なモノを作るの」

「へぇ。凄い技術力だね」

「えへへ。でも、今の状況は褒められないかな――とりあえず、中に入ろ」

 促されて中に入ると思ったより豪華だ。テント内とは思えない。テーブルや椅子まである。

「思ったより広いな」

「そうだよー。それも効果のひとつで、外の見た目より広いし、他の人からは見つけにくいんだよ」

 そう言いながらカーミラは椅子に座る。

「君達も座りなよ」

 促されて空いている所に座る。

「どうして俺を助けてくれたんだ?」

 まず初めに知りたかった事を聞く。

「二人は現状って理解してるの?」

「ああ、ダークスの奴らがスキル欲しさにこの国を滅ぼそうとしてるって所までは」

「そうそう。それを分かってるなら細かい話は後にするとして――実はその命令をしたのが私のパパなんだよね」

「って事はやっぱりお姫様なんだ」

「その呼ばれ方、好きじゃない」

 口を尖らせているので謝っておく。

「その話はいいの。それで、私はパパのやり方が気に食わないわけ」

 こちらは仕掛けられた側なので、そういった心を持つ人がいる事にほっとする。

「なんで奇襲なの!? そんな卑怯な真似したら駄目じゃん! 正々堂々と宣言してから戦おうよ!」

「そこかよ! いや、間違っちゃいないが!」

 俺が同じ様な事を言う前にライトが盛大に突っ込む。

「そうなのよ。パパがそんな事する人だとは思って無くてがっかりしちゃったのよね」

「うん。もっとルールとか決めれば良かったのかな」

「そうなの! 武道会とかにしたら健全だったのに、なんで奇襲とかしちゃうかな」

「でも、それじゃあ聖霊達も納得しないからなんじゃない」

 何故俺は敵を擁護してるんだ。

「うーん。でも、私は一国の長がそんな命令したら駄目だと思うの。だから、パパを殺そうと思ってるんだ」

「何しれっと、とんでもない事言ってんだよ」

「だから、君に手伝って欲しいの。君はいい匂いがするし、私は好みだから」

 どうでしょうかと言わんばかりに首を傾げているけど

「それって、断ったらどうなるの?」

「えっ、別にここでバイバイするだけだよ。その先は知らないけど、私は一人でパパを殺すだけ。勝てるかは分からないけど」

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