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 皆の元に帰ると、ワイルドボアはもう倒した後だった。

「その様子だと逃げられたか」

 ライトが残念そうに言うので頷くだけにしておく。

「……凄く速かったよね」

「皆は余裕だったみたいだ」

「余裕というか、ダリル一人倒しちゃったよ」

「だな。槍で一突きだったぜ」

「……この槍、尖端が凄く切れるから。クリスさんのおかげ」

 ダリルも先輩の槍を気に入ったようだ。

「それじゃあ、試し撃ちも終わったし帰るか」

 散らかした獣と魔物を袋に入れて砦に帰ると、多くの戦士戻って来ていた。

 俺達は飯と風呂を済ませて部屋に戻る。少し皆でジャスを打つと、ダリルとライトが部屋を出ていく。

「あの二人はいつもどこに行ってるんだろうね」

 呑気に駒を並べているロン。現実は残酷だ。

「ああ、そういえば。ミステルの事なんだけど――」

「だ、ダリルに聞いたの!?」勘違いしてるな。

「そっちじゃなくて、ミステルのスキル効果って継続してる?」

「えっ、うん。いつも追加効果かかってるよ」

「互いに仲間と思っているのが条件――か」コワイ能力だ。

「えっ、何?」

「ああ、もう寝る」

「ちょっと待ってよ。もう一戦だけ」

「おやすみ」

 グズるロンを無視してベッドに潜り込む。1日を思い返すと今までで一番充実した日だった。明日の討伐も楽しみだ。気が付けば睡魔は俺を闇に引きずりこんでいた。

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