28
皆の元に帰ると、ワイルドボアはもう倒した後だった。
「その様子だと逃げられたか」
ライトが残念そうに言うので頷くだけにしておく。
「……凄く速かったよね」
「皆は余裕だったみたいだ」
「余裕というか、ダリル一人倒しちゃったよ」
「だな。槍で一突きだったぜ」
「……この槍、尖端が凄く切れるから。クリスさんのおかげ」
ダリルも先輩の槍を気に入ったようだ。
「それじゃあ、試し撃ちも終わったし帰るか」
散らかした獣と魔物を袋に入れて砦に帰ると、多くの戦士戻って来ていた。
俺達は飯と風呂を済ませて部屋に戻る。少し皆でジャスを打つと、ダリルとライトが部屋を出ていく。
「あの二人はいつもどこに行ってるんだろうね」
呑気に駒を並べているロン。現実は残酷だ。
「ああ、そういえば。ミステルの事なんだけど――」
「だ、ダリルに聞いたの!?」勘違いしてるな。
「そっちじゃなくて、ミステルのスキル効果って継続してる?」
「えっ、うん。いつも追加効果かかってるよ」
「互いに仲間と思っているのが条件――か」コワイ能力だ。
「えっ、何?」
「ああ、もう寝る」
「ちょっと待ってよ。もう一戦だけ」
「おやすみ」
グズるロンを無視してベッドに潜り込む。1日を思い返すと今までで一番充実した日だった。明日の討伐も楽しみだ。気が付けば睡魔は俺を闇に引きずりこんでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます