26
町に戻ってくると、初めに行ったのは武器屋。ダリルの弓とライトの銃を見に来たのだが、二人は即決する。
「あれだ、壁に掛かってるヤツ」
「……俺はこれにする」
二人が選んだのはよく分からないけど、それぞれが言うには良いものらしい。それに安かった。2つで銀貨4枚。
いい買い物が出来たと満足そうだ。
その後はロンの短杖を買って、防具もワンランク上の物を揃えた。
「せっかく買ったんだし、試したいよな」
「そうだね。でも、その前に何か食べたいよ
。僕お腹ペコペコ」
「そうだな。俺も賛成だ」
「……何か食べよう」
俺以外が賛同したので、飯を食ってからいつもの森に向かった。
その途中で、ダリルが珍しく話しかけてくる。
「……戦闘中に気付いた事がある」
おそらくアレの事だろう。
「ああ、ミステルの強化が消えて無いって話」
「……そう。そのおかげで助かった」
それは俺もそうだ。どういった理屈かは分からないから今度ミステルに聞いて見ようと思っていたのだ。中々会えないのから先にはなると思っていたけど。
「……ルルカさんが言うには、こういう特殊スキルはお互いに仲間だと認識した時点で発動する事が多い」
「つまり、部隊は別れてもお互いに認識さえしてればどこにいようが良いってことか」
「……そう。だから俺たちにもスキル発動したまま」
そう考えると、改めて特殊スキルの凄さを知る。
「そういえば日替わりでパーティ組まされてるって言ってたな」
いつの間にか話に加わったライトも思い出すように言う。
「ライトはミステルと会ってるんだ。俺なんて全然会えてない」
「……二人は仲良し。よく見かける」
「おいダリル!」
ダリルが部屋を抜けるのは毎晩だけど、確かにライトもニ日に一度は散歩と風呂と言って1,2時間帰って来ない事がある。そういう事だったのだろう。
「いつも気が合ってたし。別にいい」
「……でもロンには秘密」
「なんで?」
「おいおい。ミュートは見たまんま鈍感君かよ」
「ああ、そういう事」
そんな気配見せて無かったから気付かなったけど、どうやら二人は知っているらしい。
前を進みながら薬草を採取している背中がどこか気の毒だ。
「まあ、そんなの関係なく俺達はパーティーだ。今日も頼むぜ」
ライトが俺たちの背中を叩いてくるので、殴り返す。
「……ライトもしっかり援護してね」
「当たり前だ!」
俺達は笑いながらいつもの狩場へ向かう。
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