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 そこは思ったよりも立派な建物で中に入ると色々な人がいた。

 いかつい鎧の人もいれば、動きやすそうな服装人もいる。

「よう、クリス調子はどうだ」

 クリ先輩が誰かを探すように辺りを見回していると、見た事のある人が声をかけてくる。

「おお、カチュア。コリン見なかったか」

「相変わらず調子良さそうだな。コリンならさっきオッド達の隊といっちまったぜ」

「えっ! 嘘だろ!」

 クリス先輩が本気で焦っている。それを見てカチュアと呼ばれた人が大笑いする。

「嘘だよ。そのコリンからの伝言だ。ちょっと町に買い物に出るから待ってて、だとよ」

「なんだよ。脅かしやがって」

「はは、お前ら仲がいいから遊んでやりたくなるんだよ。それじゃあ伝えたからな」

 そう言って手をひらひらさせながら仲間の元に帰って行く。

「そうか。それじゃあ、中をひと周りするか」

 先輩は受付に向かうと、馴れた様子でそこに座る女性が声をかけてくる。

「あら、クリス。そんな少年連れて、コリンはどうしたの? ついに愛想尽かされたかしら」

「どいつもこいつも――尽かされてない。こいつは新入りのミュートだ」

「あら、もうそんな時期なのね。そう言えば、さっきも自信の無さそうな男の子がいたわね。それにしても変わった子ね」

 変わってる? 俺が?

「だろ、まだ成人したばっかなのにおっさみたいな空気出してるからな」

「そうね。なんでかしら、興味が無いの?」

 確かに昔から落ち着いているとは言われるけど、そんなモノは人それぞれだろ。

「それは、自分でもわからないです」

「ふーん。まあ、その内にね」

 何がその内なのか怖くて聞けないが、とりあえず俺の話題は終わる。

「それで、依頼はどうするの」

「まあ、ミュートがいるし比較的楽なのが良いけど……コリンと合流してからまた来るさ」

 どうやら、俺を紹介するのが目的だっみたいで、次は人が集まっている壁際に連れて行かれる。

「ここは、依頼が張り出されている掲示板だ。俺達は基本的にはさっきの受付で依頼を貰うが、フリーの奴らはここから気に入ったモノを探すんだ」

 覗き込むと、確かに色々な依頼が張り出されている。

「俺達も休みの時に暇だと、トレーニングがてらここからの依頼を受けたりする」

 基本的にそこまで難易度の高い依頼は無いそうだけど、やはり討伐依頼の報酬がいいらしい。

「後は2階だが、あそこは特別室だ。俺達が行くことはまずない。アタルとか隊長クラスに任せてりゃいい」


 

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