14

 スキルの説明をすると言われていたので、会議塔に戻るかと思っていたけど、ミカドさんが向かった先は塔の外だった。

「おい、どこに連れて行かれるんだ」

 ライトが不満を口にするが

「いいから黙って付いてきな」

 ミカドさんの圧に負けるのであった。

 しばらく歩いた所で森が見えてきた。そこにアタルさんもいた。

「お疲れ様です。それでは、君達には今から狩りをしてもらいます。武器は用意しているので好きなモノを使って下さい」

 用意されていたのは武器は確かに様々な種類があり、選びたい放題である。

「ロンとミステルはあまり重装備にならないように」

 そう注意される前にミステルはミカドさんが薦めるままに軽そうな盾だけを持っている。ロンもそれに倣って同じ盾と短めの杖手に取っていた。

 俺は使い慣れた平均サイズの剣とバックラー。ライトはサイレンサーとスコープが付いている細見の銃と手持ち銃。ダリルは自分野背を超す長さの槍を選んだ。

「なんだよ。ダリルは槍か、意外だぜ。イメージだけど弓って感じだ」

「……弓も出来るけど、ライトが銃だし……槍の方が好きだ」

 武器を貰ってテンションを上げていると、咳払いが聞こえる。

「それでは、準備が出来たようですので今日の目標です。獣を5匹と魔物を1体討伐して持ち帰って下さい」

「何でもいいのか」

「はい、何でもいいです。凶悪なモノはいないので、君達はが揃えば倒せるでしょう。あと、これを渡しておきます」

 ロンに渡されたのは2つの袋だ。

「容量1000キロまで入るマジックバックです。討伐した生物はここに入れて下さい。時間制限は日が暮れるまで、目標を達成しようがしまいが日が落ちるまでには帰って来てください。説明は以上です」

 アタルさんがにっこり微笑むのがスタートの合図になった。

「それじゃあ、ちゃちゃっと片付けるか」

 そう言って森に入って行くライトだが、その肩を掴む――手は俺の他にはもう一本あった。

「……ライトが先頭は効率悪い」

「ああ、普通なら俺かダリルだけど、ここはダリルに任せよう。俺は最後尾で真ん中にミステルがいい」

「じゃあ、僕は回復がスムーズに出来る様に後ろから二番目だね」

「私もその陣形で異論はありませんわ」

「よし、それじゃあ行こう」

 ダリルを先頭に俺達の狩りが始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る