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「それで、どうして俺達は選ばれたんだよ」
俺が聞く前にライトが声をあげる。
「実は、あの洞窟には妖精の長に近い存在がいます」
「どうしてわかるんですか、姿が見えないのに」
「いえ、正確には姿を隠しているだけですから、聖霊に意志があれば姿は見せてくれます。ただ、禁忌とされているので特別な事が無ければ姿を見せる事はありません――あと、ごく稀に妖精の姿を見れる目を持っている人もいますが」
「それで、その偉い妖精がなんの関係があるんだよ」
「彼に頼みそれぞれに付いている妖精に指示を出して貰いました。戦う力と意志のある者だけあの場でアクセサリー化をしてくれと」
「なんだよ。結果は決まってたんじゃねーか」
「いえ、何か分からないモノと戦う意志が無い人は、力を持っていても外されます。事実、君たちより優秀なスキルを持っていて外された人も何名かいます」
「でも、それって妖精次第って事だよな。早く国に帰りたいから嘘ついてる可能性もあるだろ」
ライトはつまらなさそうに言うが、そうされ無い為の策が――いや、そんなことする必要も無いのか。
「妖精に嘘をつくメリットが無いから大丈夫だよ。自分の食い扶持が無くなるのは妖精としても良くは無い」
俺に同意してくれたのはミステルだった。
「そうですわ。それに妖精がそんな邪悪な存在だとも思えません」
「じゃあ、そういう事でいいや。って事は俺たちには戦争をする素質あった。だから選ばれた。そんで敵は隣の大陸に住んでいる魔族」言い方が悪い。
「そうですね。その認識でかまいません。次はスキルの話をしたい所ですが、その前に一旦休憩でもしましょう。ミカドさんお願いします」
「よし、あんたら私にはついといで」
入口でずっと立っていたミカドさんが、ドアを開けて外に出ていく。本能が逆らうなと言っているので黙ってついていくことにした。
着いた先は中央塔の地下、食堂だった。
「少し早いけど好きなだけ食べな。朝は部屋の前まで持って来てくれるが、昼と夜はここで好きに食べるんだよ」
入口から並べられたテーブルには隙間無く大皿乗せられていて、様々な料理乗っている。備え付けられている小皿を持って気になるモノを取っていく。
「好きなだけ食えとは言ったが、腹一杯にはするんじないよ。この後に響くんだからね」
そう言われたら仕方ない。昼ご飯はそこそこに夜をがっつり食べてやる事を心に決めた。
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