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「今日は君たちが何故戦士として選ばれたかの説明会です。質問があればいつでも聞いて下さい」
俺達が頷くのを見てから、黒板に何か書き始める。
「これが何かわかりますよね」
3つの歪な図形。どう見ても世界地図だ。
「世界地図ですわね」
ミステルがつまらなさそう言うとアタルさんも苦笑い気味に頷く。
「そうです。我々の住むのが5国からなるドラン大陸。そこから北にあるのが魔族の大陸ダークス大陸。さらに、そこから西にあるのが古き生物の楽園エルダー大陸です」
一つ一つ指しながら説明してくれるが、カレッジで習う基本だ。
「そんなことプライマリーでも知ってますわよ」
「だな。でもわざわざ説明するって事は意味があるんだろ」
「ぼ、僕もそう思うな。何かは分からないけど」
各々思っている事を口にしているが、誰も正解を知らない。
「実はこの地図は間違ってるとか」
俺は咄嗟に思いついた事を口にする。
「はぁ!? 何言ってんだよお前」
「そうですわよミュートさん。さすがにそれは――」
「で、でも。確かに他の大陸って移動禁止だし」
「……本当に存在しているかすら分からない」
その回答を待っていたかのようにアタルさんが俺に視線をくれる。
「半分正解と言ったところですね」
「半分?」
「はい。この3つの大陸は確実に存在しています。それは間違いなく」
「……それじゃあ、何が違うんですか」
ダリルの質問の答えは黒板の地図に描かれる。
「他に3つの大陸があるってことか」
それぞれの大陸の少し逸れた所に、小さめの丸が3つ。そうとしか思えなかった。
「はい。その通りです。実はこの世界には6つの大陸があります」
「つまり、隠さないといけねー何かがその3つの大陸にあるってことかよ」
「言い方次第ではありますが、そうですね――元々はこの3つの大陸ごとに国がありました。そして、それらは共存していたのです」
嘘か本当かは分からないけど、少なくてもアタルさんが嘘をついている様には思えなかった。
「それを支えていたのが、各国に隣接するこの小さな島に住むモノ達だったんです」
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