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 半身に感じる硬くてひんやりとした痛みに叩き起こされた。

 少し頭が痛い事以外には体に異常は無い。何を思い出せば良いのかを思い出そうとしていると、少し離れた所から声が聞こえる。

「ここどこ」

 声のした方を見ると、見覚えのない十七、八歳くらいの奴が身を起こしていた。同年代の存在は少し安心感があったせいか、俺も自然と声をかける。

「なあ、君はどうしてここいるか覚えてるか」

 俺の声に気づいたのか、そいつはこちらを向くがその顔には恐怖が張り付いている。

「い、いや。覚えてないよ……僕はちゃんとベットに入って寝たはずなのに、なんで……」

 そうだ、俺も確か眠ったんだ。毎日の繰り返しの様に――いや違う、何かを忘れている。

「そうだ、明日――もう今日なのか。今日は成人の儀があるはずだったんだ」

 記憶が妙な感じで抜け落ちているが、少しずつ思い出してきて視野も急に広くなってくる。

 今いるのは、どうやら洞窟のようだ。床も壁も全てが石で出来ているから間違いないだろう。問題はその状態だ。

 さっき話しかけた奴の他にも同い年ぐらいの奴らが隙間無く転がっていて、ちらほらと目覚め始めてる奴らがいる。

 正直何か良くない事に巻き込まれているとしか考えられない。

 ようやく状況の確認をし始めた所で影が見えた。

「よう。頭が追い付いてきたか」

 声の方を見ると、長身で知的そうなインテリイケメンがいた。

「ああ、少しずつだけど余裕は出てきた。まあ混乱はしてるけど」

 俺は素直に答えるが、イケメンは嬉しそうに笑って俺の隣に座る。

「俺はライト。ライト・ロックだ」

「ああ、俺はミュート・サーデス」

「ミュートかよろしく。早速で悪いんだが、どこまで把握した」

 ライトは軽い様子だが目は真剣だ。現状がヤバい事に気づいているんだろう。

「ああ、現状は最悪だろうな。多分ここにいるのは明日に成人の儀がある奴らばっかりだろ。って事は考えられるのは――」

「まあ、間違いなくスキル目的だろうな」

 俺達が考えをすり合わせている間に周りのざわめきが拡がっていく。どうやら、寝ていた奴らがどんどんと起き始めたようだ。

 俺が初め声をかけた奴はまだ呆けている。気にせずに俺はライトに向き直る。

「それでスキル目的っていっても何の為?」

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