最弱の持つ鬼畜スキルで極悪の最強にのしがる

Zumi

プロローグ

「やぁ! せい! どぉりゃー!」

「はは! 威勢だけはいいぞ!」

 歳の離れた二人の男子が木製の剣を打ち合っている。剣を振り下ろしているのは背丈が低い方の男子ばかりだ。乾いた音がしばらく鳴ると、そこに切れた息も混じり始める。

「そろそろ限界だな」

 カンッと鋭い音の後に、子供が地面に倒れる音が続く。

「やっぱり、成人の儀が終わったロー兄ちゃんには勝てないや」

「まあ、成人の儀は関係なんだけどな。あくまでスキルが判明するだけだ」

「でも、思った通り剣術のスキルだっただんよね。いいなぁ」

「ああ、でも大丈夫だ。ミュートもきっと同じスキルさ」

「そうだといいなぁ。僕も早く成人になりたい」

「俺もその時が楽しみだ。それまではこの村は俺が守って、そこからは二人で守るんだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る