第3話 ヒーロー物における公権力
皆様、ゴールデンウィーク予定はおありでしょうか? 私は一切ありません。
さて近況の方にも書きましたが、3話目の御題は「ヒーロー物における公権力」です。
何のこっちゃ?と思われる方もおられるかと思いますが、ヒーロー物において警察とか自衛隊などの治安維持の為の機関がちゃんと働いているかと言う話です。
ネタというか、かなり古い話も出てくるので若い方には分かりづらいかもしれません。
注:本文はあくまでも個人的感想及び見解です。
1:白黒テレビの時代
最初にお断りしておきますが、流石に私もこの年代には生まれていません。
なので本放送は見ておらず、本で読んだとかテレビのスペシャル番組の懐かし映像などで見た位なのであまり詳しくないし偉そうなことも言えないのですが、とりあえず個人的見解を述べさせていただきます。
この時代のヒーローといえば、やはり「月光仮面」とか「七色仮面」「快傑ハリマオ」「まぼろし探偵」、ウーヤーターで有名な「少年ジェット」、拳銃は最後の武器の「忍者部隊月光」などですか。
この時代のヒーローの特徴は普通の人間が多いということです。普通の人が覆面を被ってヒーローを名乗り悪と戦う、というパターンです。「ナショナルキッド」「海底人8823」「スーパージャイアンツ」などは宇宙人だったり海底人だったりまあ例外はありますけど。
で、これらの作品で警察がどうだったかというと、クソの役にも立ってません。基本的に悪に翻弄され右往左往するだけのカマセです。
まあ「忍者部隊月光」は国の部隊なのですから、これだけは公権力が頑張ったと言えるのか?
2:カラーテレビ昭和
カラーテレビになり、子供達の前に革新的な二大ヒーローが現れます。
そう「ウルトラマン」と「仮面ライダー」です。
「ウルトラマン」、今まで色んな手段を講じてかろうじて撃退してきた怪獣と互角に戦う光の巨人。幼少の頃の私も胸をワクワクさせながら怪獣プロレスを見ていました(再放送でですよ)。
さて「ウルトラマン」というか、ウルトラシリーズにおいての公権力ですが、基本的に主役の人間体が所属するのは体制側の設立した防衛隊なので何も言うことはありませんね。役に立ってるかはともかく。
「仮面ライダー」の方はと言うと、白黒テレビ時代と同じく「警察何やっとんじゃ」と言いたくなります。
1号2号の時は、日本警察何も出来ず、たまに怪人の犠牲者になる位の活躍ぶり。泣けてくるね。
アメリカFBIの捜査官である滝が日本に来てショッカーに対処してましたが、何でアメリカの捜査官が日本に来んの?って感じですな。
個人的な考察というか脳内設定ですが、滝って絶対トバされたんだろうな、と思ってます。「アイツ、反抗的だから調査の名目でトバしてやる。故郷で死んでこい」みたいな感じで。
他に初代に出てきた組織と言えば、アンチショッカー同盟ですが、これはショッカー被害者の会なので公的機関ではありません。あっという間に壊滅したしね。
お次はV3。これに出てくるのはデストロンハンターなのですが、あれって公的機関なんでしょうか?ま、対して役に立ってなかったからいいか。
X、なんかこれの初期ってひたすらシリアスでハードだったんだよね。
敵組織のGODが「高度経済成長を遂げた日本を目障りに思った米ソ両大国が、日本の国力を削ぐために作った組織」という設定のために、GODを調べるために日本国の女スパイが暗躍してました。不評だったのですぐにフェードアウトしたんですが。
アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ZX、真、ZOなどは公権力の介入一切無しだったはず。
ブラックは、ゴルゴムのメンバーに政財界のお偉方がいるなどして社会への浸透力というか影響力がリアルな感じでしたね。警察はいつも通り無能だったけど。で続編のRXですが、私はこの作品嫌いなんで正直どーでもいい。
警察側のヒーローとして「ロボット刑事K」や「電人ザボーガー」「エクシードラフト」「ウィンスペクター」「ソルブレイン」などがありますね。ロボットとかメタルヒーローに多い感じです。
「機動刑事ジバン」は計画当初は体制側主導ですが、計画ポシャった後は個人で好きにやってるので警察ヒーローではないとします。「宇宙刑事」シリーズも日本警察ではないので除外(大好きなんですけどね、特にギャバン)。「ビーファイター」は半官半民でしょうかね。
ヒーロー物と言えば忘れちゃいけない「スーパー戦隊」シリーズですが、体制側が組織した戦隊が多いため、ウルトラシリーズと同じく私が何か言うこともないと思います。
色々と挙げましたが、やはり子供向けのためかリアルに警察の活動を描写したモノは無かったかと。「ロボット刑事K」は人間の刑事との共同捜査ということで捜査のやり方などはそこそこリアルだったかな?
3:カラーテレビ平成
さて平成になり、この御題にとってエポックメイキングな作品が生まれました。
そう「仮面ライダー クウガ」です。事件が起きて、それに対して捜査本部を立てて対処するという刑事ドラマでは当たり前の描写をヒーロー物として初めて取り入れた作品。
そりゃ事件起きりゃ警察動くの当たり前なんだよ、役に立つかはともかく。この作品、警察の動きに関してはホントにリアルな描写をしておりました。
後半、ナノテクノロジーを用いたマーカー弾とか神経断裂弾などのトンデモがちょっとありましたが、人間関係の描写などもリアルで大人の鑑賞にも充分耐えうる物だったかと。
で続編の「アギト」です(私の脳内では「クウガ」「アギト」はつながっています)。
これの目玉はなんと言っても、初の体制側の仮面ライダーG3とその後継G3Xです。
「クウガ」での戦いを経て怪人に対処する力が必要だと判断し製作された、普通の人間が装着する強化服。トレーラー内での装着シーンが好きでした。
その後も強化服系ライダー色々出てくるけど、きちんと装着すんのこれだけで、他のは変身してんのと変わんないんだよね。
この「アギト」も警察の対応などは前作を引き継いでリアルでした。特に北条君が巻き起こす内部抗争というか権力争いというかね。嫌みなエリートを体現したかのような北条君の小物っぷりが大好き。
平成ライダーで他に体制側というと、「カブト」の組織とか、「W」の「俺に質問をするな」さんとかがいますが、私の個人的な感想では「クウガ」「アギト」以上にきちんと
警察の対応を描いた作品は無いと思っています。
長々と書きましたが、何を言いたいかと申しますと、現代物・現代ファンタジーを書くにあたり警察をどう絡ませるか、ということです
主人公の属する組織が超法規的組織で警察を黙らせることができるというならともかく、そうじゃないならば事件が起きた際の警察の対応をどう描写すべきか。
もしくは警察などの介入が無い理由付けをきちんとする。夢の中の出来事だとか、限定的な事件でそんなに被害は大きくないので表沙汰になってない等々。
偉そうに聞こえるかもしれませんが、ここら辺キチンと描写することによってリアルさとか説得力が上がると思いますので、心の片隅にでも覚えておいていただければ幸いです。
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