たこ焼きパーティー

 次の日の朝、ベットから起きて一階に下りると兄が朝食の準備をしていた。


「うっ、うううう」


「あっ、おはよう。お兄ちゃん」


「うっ、うう、ううう…」


「あっ、本当だ。早くしないと学校に遅刻しちゃう!」


私は兄に笑顔を振りまいて、急いで家を出た。そして、その道中、ユキに会った。二人共昨日の事が原因で、気不味すぐて少し距離をとって登校した。



 帰り道、またユキに会ってしまった。お互いにまた距離をとって歩く。

 しかし、もうすぐ家に着くというところで、私の家から出てきた人影を発見した。それは、お兄ちゃんだった。


「うっ!うう、うううう!」


「「?」」


私達が?マークを頭に浮かべて突っ立って居ると、お兄ちゃんに腕を引っ張られて家の中に引き込まれた。そして、お兄ちゃんにリビングまで誘導されて見ると


【二人の仲直りパーティー】


と書かれていた弾幕と、机に置かれたたこ焼き器とその材料。私達はお互いの目を見てついクスッと笑ってしまった。しかし、ハッ!と気づいてお互いに睨み合う。

 そんな私達を見かねたのか、お兄ちゃんがメモを走り書きして、私に渡すとさっさと部屋から出ていってしまった。


 メモを見ると、私は手を震わせる。ユキも覗き込んで絶句する。

 そこには、こう書かれていた。


『強がりの二人へ


 僕は少し用事があるので出かけてくるけど、二人はたこ焼きを50個以上作っていい子で待っている事。任せたよ(・∀・)  』


 私は頭を抱え込んで座り込んだ。


「どっ…どうしようユキ?私が外に出しちゃったから、…お兄ちゃん大丈夫かな…?」


「どうって……まあ、大丈夫じゃないかな?僕達は任務を遂行しよう。さっ、準備しよ」


「ふぇ…っ?えっ、えっ…ユキ、怒ってないの?」


「あっ…うん、まあ、その…昨日一晩中考えてみて、外に出すのもいいかな…って、考えたりして、その…昨日はごめん悠芽」


「…あっ、うん…こちらこそごめんなさい、ユキ…」


「……あっ、取り敢えずたこ焼き、早く作らないと…」


「あっ、そうだね。お兄さんが帰ってくる前にやらないとね!」



 私達は、たこ焼きの準備して、他愛ない会話をしながら60個作った。そして、材料がなくなったので片付けをしている時だった。


「そう言えば、久しぶりだな。こうやってたこ焼きパーティーやるの…」


「あっ、そう言えば、そうだね。昔は、喧嘩するたびにお兄ちゃんがこうやって開いてくれたよね!」


「そう言えば、お兄さんのあのたこ焼き好きは何なんだろうな?」


その時だった。玄関が開く音がして、お兄ちゃんがリビングに入って来た。

 そして、その手にはケーキが…



 たこパーが終わり、お兄ちゃんとユキを見送りに外に出た時だった。ユキが不意に振り向き


「今度、お兄さんの装置に翻訳機能をつけるよ」


「えっ?本当?」


「うん、約束」


「…ユキ!ありがとう!」


 私は思わずユキに抱きつきいた。

 それをお兄ちゃんが優しく見守っていた事を知らなかった。

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