第2話 黒鳥(ブラック・スワン)は夜に鳴く
私の望みはあらゆる美しいものを見ること。
私が触れたものは美しい宝石になる。
気に入ったものをキレイな宝石にしてあげるって素敵じゃない?
でも、私は飽きっぽいの。
宝石に変えたキレイなモノになんて執着しない。
ある時、この子宝石にしたいなって思ってた勇者が髑髏の軍服の男と戦ってたの。
あらやだ、この子がキズものになっちゃう前に宝石にしてあげなきゃ。
私がその子を宝石に変えたのを見て、髑髏の男は私にひざまづいてこう言ったの。
「ごきげんようマドモワゼル。あんな強そうな男を宝石にしてしまうなんてすごい力だ。私はあの男を仲間にしようと思ったんだが、お嬢さんもなかなか面白いお力をお持ちだ。」
語りかけた男に私は答える
「あらあらごめんあそばせ。あまりに気に入ったものだから石にしてあげたの。お邪魔だったかしら?」
赤い目を向け男は言う。
「力強い者ですら宝石にしてしまう君の力は魅力的だ。麗しき麗人、雄々しき英雄、強大な竜、あらゆる時空のものを美しい宝石に変えてみないか?私はいずれ神すら超越しようと考えている。どうだね?神を美しい宝石にしてみたいと思わないか?」
「興味のあるお誘いね。ただし、私が気が向いたらあなたを宝石にするかもしれないけれど、それでもいいかしら?」
「好きにしてくれたまえ。さあ、私と一緒に行こう。」
私は差し伸べられたその男の手を取って、彼が導く時空の裂け目に飛び込んだ。
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