第6話 コンテストは読者選考をやめたほうがいいのではないか
寝ようと思ったのだが、ふと思い至ったので書こうと思う。
コンテストの多くには読者選考がある。カクヨムにおいても、それは行われているし、他のサイトも多いようだ。
だが、この読者選考、やめてしまったほうがいいのではないだろうか。
理由はいくつかある。
まず一つ。
読者選考を行うことによって、不正するユーザーが必ず出てくる。
読者選考はどれだけ読者からの評価を得られたかで選考が抜けられるかが決まるものである。そうなれば、参加している者は誰でも評価を欲するようになるのが普通だ。
無論、そうなれば多くの人間が参加している以上、不正行為に手を染めてしまう者が出てきても不思議ではない。
不正行為が多く行われてしまえば、そのコンテストは適正なものではなくなってしまう。これは、主催しているレーベルや運営も同じのはずだ。
現に、カクヨムのコンテストにおいてもそのような不正行為及んだユーザーがいたと聞いているし、今回のカクヨムコン4でも、不審なアカウントからの星爆が多数報告されていたことも記憶に新しい。
第二。
読者選考を行うと、ランキングに上がってこれる多くの作品は一部の人気ジャンル作品だけになってしまう。
読者選考を行えば、必然的にユーザーに人気なジャンル多くがランキングに上がってくるはずだ。
それでは、コンテストを行っているレーベルが求めているものが来ない可能性が高い。最近のコンテストは、開催前にどのようなものを求めているかを提示している。だが、それを提示したところで、読者選考を抜けやすいのは異世界チートハーレムものである。結局、ランキング上位はよほどのことがない限り、人気のパターンが接見し、コンテストを行ったレーベルが求めていたものはなかなかランキングに浮上できなくなってしまう。
無論、レーベルピックアップというのもあるが、何百、何千と応募されてしまえば、レーベルが求めているものをサルベージするのもかなり難しい。それほどの数が来てしまえば、すべての作品に目を通すなんてのは不可能に近いだからだ。選考を行うのはレーベルの編集者であり、その編集者にだって通常業務が存在している以上、コンテストの作品に目を通すことばかりやっていられない。レーベルがどのあたりまで見ているかは不明だが、コンテストである以上、しっかり読まなければならないし、しっかり読むとなると、それだけ時間がかかる。そして、読者選考が行われるコンテストは中間選考の発表までが短い。これでは、しっかり読んで選考を行うというのは難しい。
結果、レーベルが求めているものは読者選考を抜けられず、埋もれてしまって終わることになる。レーベルとしても、最初に求めているものがこなければ、残念だろう。
第三。
コンテストに参加すると、通常ランキングおよび注目の作品に表示されなくなり、露出が圧倒的に減ること。
コンテストに参加すると、通常のランキングおよび注目の作品に表示されなくなることは多くのユーザーが知っていることだろう。
では、そうなるとなにが問題なのか?
圧倒的に露出が減るのである。
カクヨムで伸びたパターンの多くは、星を獲得して、注目の作品に乗り、ユーザーを集めてランキングに入る、というものらしい。
コンテストに参加すると、専用のランキングに表示されるかわりに、通常ランキングにも注目の作品にも表示されなくなる。そのため、前述の伸びるパターンはコンテストに参加した場合には通用しなくなるのだ。
そうなると、コンテストに参加していなかったら伸びていたかもしれない作品が伸びなくなってしまう。
これを回避する手段としては、コンテスト参加作品であっても注目の作品に表示されるようにすることだが、今後どうなるのかは不明である。
第四。
交流のある古参ユーザーのほうが圧倒的に有利。
コンテストに参加すると、注目の作品に載って伸びるというパターンが不可能になるため、多くのユーザーと交流のあるユーザーが圧倒的に有利になる。現に、カクヨムコンの意見を募集した時、交流のあるユーザー同士の星の入れ合いがクレームの一つとして多くきたという話だ。
これは、交流のあるユーザーとないユーザーとの間に不平等が生じる。公平に行われるべきコンテストでこのような不平等が起こるのはいかがなものなのか? 意見は様々あるだろうが、このような不平等が正当化されているのなら、新規のユーザーが集まってこなくなる可能性がある。コンテストを目当てに、新しく登録する人だって少なくないのだから。
読者選考が行われることによって生じる問題点は主にこの四つだ。
読者選考をやめて、公募に近い形式にしたほうがレーベルにとってもユーザーにとっても得ではないのか?
無論、読者選考にもいい部分はある。
一般公募の一次選考の多くは下読みと呼ばれる人が読んで、それで抜けるかどうか判断される。なので、その理不尽さは下読みガチャとも言われているくらいだ。たとえ、十年読まれるくらいのベストセラーになる作品であったとしても、たまたま読んだ下読みに合わなければ落とされてしまうことになる。
読者選考であれば、これを避けることができる。多くの読者から読まれ、支持を集められるのであれば、その理不尽は起こらない。
当然、コンテストを行うレーベルの編集者がすべて読んで判断するというのは難しい。なにしろ投稿サイトで行われるコンテストには数百、二千作を超えることだって珍しくない。編集としての通常業務をしながら、何百何千とある作品にすべて精読するというのはリソース的に不可能だ。
だが、この読者選考には下読みとはまた違った理不尽さがあるのは事実だ。わたしとしては、これをなんとかしてほしいところである。
雑文ではありますが、読んでいただいた方に感謝を。
ありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます