第3話 コンテストに参加している作品のランキングはユーザーからは完全に見えなくしたほうがいいのではないか

 カクヨムでは定期的にコンテストが開催されている。その最たるものといえば、年末から年始にかけて行われるカクヨムコンだろう。長編コンテストの場合、受賞すれば大抵は書籍化されるので、カクヨムに参加している人の多くはコンテストで結果を出そうとしているはずだ。


 だが、ここでわたしはコンテストに対して一石を投じたいと思う。


 カクヨムで行われるコンテストって、参加作品のランキングをユーザーに表示するのやめたほうがいくね?


 どうしてそんなことを思うのか、つらつらと書いていきたいと思う。


 まず、ランキングというシステムだが、これは平等なように見えるが、実はまったくそうではない。伸びているものがより伸びるためのシステムである。伸びていない作品がある時をきっかけにして伸びるというのは起こり得ないというわけではないのだが、多くの場合は起こらない。伸びている作品がより伸びるシステムだから、ランキングに載れない、あるいは下の方にいる作品とはどんどんと差がついてしまうのである。


 そして、このランキングというやつ、上位四位くらいまではトップページに表示される仕様になっている。トップページは言わずもがな、サイトに訪れた人が最初に目にするページであり、ここに掲載されるということは大幅に露出が増えるわけだ。


 先ほど言った通り、ランキングというのは伸びているものがより伸びるシステムである。上位四作品がトップページに載れたのなら、その集客効果は他の作品に比べたら圧倒的だ。これが果たして平等といえるだろうか?


 無論、ランキング上位に来る人たちは、すでに人気作を持っていたり、固定ファンがついている人であることが多い。その人たちはきっとその実績は地道に積み重ねていった結果であると思うから、ランキング上位に食い込める人たちに対して、悪い感情を持っているわけではない。


 そのうえ、このランキングで自分の作品がどれくらいの位置なのか見えてしまうのは様々な問題を引き起こす。


 読者選考があるコンテストであれば、複垢などを利用した評価水増しの不正行為だ。詳しいことは知らないのだが、過去のコンテストでも不正行為を行ったユーザーがいたと聞いている。


 読者選考はユーザーからの評価を集めなければ突破は難しい。それに、ランキングで自分の位置はすぐにわかってしまう。下のほうでくすぶっていたのでは読者選考突破は困難だ。そうなれば、不正に走りたくなる気持ちもわからないでもない。


 しかし、コンテストのランキングをユーザーから完全に非表示にしたらどうなるだろう?


 自分がどの位置にいるのかまったくわからないから、ランキングを見て一喜一憂することもなくなるはずだ。そして、自分がどのくらいの位置にいるのかわからないのであれば、不正も減るのではないかと思う。


 ランキングを完全に非表示にしたうえで、トップページに表示される作品をランダムにすれば、ランキングで上に上がれない作品にも光明が見えてくる。いいことずくめのように思える。


 特に、現在行われているファミ通文庫大賞などのように読者選考のないコンテストはそもそもランキングを表示する意味がないのではないか。むしろ、ランキングの不平等によって生じるハロー効果によって厳正な選考が難しくなってしまうのではないかという懸念もある。


 というわけで、コンテストに参加している作品のランキングを見えなくすることには多くのユーザーにとって基本的にメリットしかない。眠れない思いつきに過ぎないが、一考の価値はあると思う


 ここまで読んでくれた方に感謝を。

 ありがとうございます。

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