笑って許して

安倍神社の御籤箱の前に到着した雄二母子は、賽銭を入れ、2礼2拍1礼をする。

「じゃあ、御籤引いてみる」

雄二は母にそう言うと、御籤箱に右腕を突っ込む。

引き当てた御籤の番号は1番だった。

そっと白紙を広げる。

何も書いていない。

「でしょ?」

「おかしいなぁ?前の2回は御告げが書いてあったのに」

「その時は安倍の神様も雄二に何かを伝えたかったのよ」

「それか、あなたがどういう行動を取るか見てたんじゃない?安倍の神様もからかったのよ」

「うーん、ま、そういう事にしておこう」

雄二母子は、御籤箱の前で大笑いした。

そして帰りの石段の数も、もたれかかっている2つの鳥居も特段普通と変わっていなかった。

二人は安倍神社に関わる話をしながら、石段を下り終わり、鳥居を潜って帰路に着いた。

その後、雄二は安倍女医と結婚した。

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神のお告げは正反対 最近は痛風気味 @Kdsird1730

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