どうする?お金が無い!

安倍神社で散々な結果に終わった雄二は、神社に行ったのに逆にどんよりした何かを背負わされた様な状況になってしまった。

とはいえ、いかついおっさんから要求された100万円と、屋根の修繕費100万円を何とかしないといけない現実に変わりは無い。


2日後、雄二は裕之と連絡を取った。

「お、俺だ」

「俺って誰だ!」

「おいおい、危機的状況なのにお前は」

「俺様を誰だと思ってるんだ?」

相変わらずの返答の裕之。凹んでいる様子も微塵も無い。

「おい、金どうするよ?」

根が真面目な雄二は切り出した。

「あ、その件か?」

他人事の様な返答の裕之。

「もう解決したぜ」

「は?何言ってるんだ?お前」

「君は日本語が分からんのか?OKだと言えば分かるか?」

「お前、おちょくってるのか?流石に今回は考えろよ」

思わず雄二の口調に語気が強まった。

「車売った」

「なに?!」

雄二は耳を疑った。

「お前のか?」

「家にあるやつな。俺のとオヤジの車」

「マジか?いくら位になったんだ?」

「2台で75万かな」

「どこが解決してるんだ?25万足りねーじゃん!」

「そこは、お前。なぁ、分かるだろ?」

雄二は裕之の言わんとしている事は分かっている。

「うーん、まぁそれくらいしか手段はないか。お前の心意気は分かった。俺も何とかしよう」

「ほら、解決したろ?」

「ある意味な。お前、やるな」

「当たり前だろ?俺様だぜ?」

「あははは」

電話越しに二人の笑いがおきていた。

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