第2回神頼み選手権(2)
思わぬ形で福澤さんを救出した雄二は、取り敢えず目的は果たした。
だが、本懐は「200万円を何とかして欲しい」という、無理難題的な神頼みである。
「御籤は引かねば」
ガサゴソと御籤の箱から一枚引いた。番号は49番。明らかに縁起が良くなさそうな番号だ。
【貴方の望みは叶いません】
と毛筆で書かれている。
「何ぃ〜〜〜」
ここに来て本懐が叶わぬお告げが!
思わず両膝から崩れ落ちる雄二。
【雄二よ、自分の賽銭を取りに帰ってくるとはな。この罰当たりが】
そう言われても仕方の無い状況。
「そりゃ無理だわな」
雄二はとぼとぼと、石段を降り始めた。帰りも直ぐに二重の鳥居の前に辿り着いた。
鳥居は薄桃色にぼんやりと光っている。
御参りしに来たのに、散々の結果になった雄二には、石段の短くなった事、二重の鳥居が薄桃色になった事など分かるはずも無いほど落ち込み、家路に着いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます