第二章 愛すべき家族への告白
プロローグ
例えばどれだけ密度が濃いような時間を過ごしたとしても時は巡っていく。
生を受け、育まれ、自分の足で立っていき、やがてはその生涯を閉じる。
時間の中では人生とは一瞬で気づけばあっと言う間の出来事なのかもしれない。
だが少なくともかけがえのない時間だと言う事には変わりないだろう。
自分はつまらない存在だ。
生きていたとしても意味がない。
自分は愛されていない。
きっとみんな自分の事が嫌いなんだ。
そんな事を考えているような人生に幸福は訪れる事はない。
どんな命も何にも代えがたいたった一つの尊い命なのだ。
そして何より忘れないでほしい。
アナタは望まれて生まれて来た存在なのだという事を。
この世に生を受けた時、アナタは笑顔で迎えられたという事を。
心が挫けそうになった時はアナタの傍で支えているのだと言う事を。
だから胸を張って生きて欲しい。
命がそうであるように、アナタの人生はアナタにしか作れないものだから。
広く誰かに、それこそ世界に知れ渡るような人生ではないのかもしれない。
平凡と評されてしまうような人生なのかもしれない。
それでもアナタはきっと一生懸命にその人生を生きている。
アナタが受けていたように、アナタの中にある愛を誰かに与えている筈だ。
アナタが頑張っていることを私達は知っているから。
そんなアナタの命に私達は誇りを持っているから。
私達から生まれてきてくれたアナタをこれからもずっと見守っていくよ。
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