バネ縮む
煙草をレザー製のバッグから出して火をつけようとして迷う。ライター一つで、俺はなんだってできる。放火魔になることも、この身を燃やして訴えることもできる。それでも俺は、この煙草を吸うことをえらんだ。どうして?
俺は信じてもいない神に問う。
「堕落もできない。まっとうにも生きられない。俺はどこにいる」
神様はいない。でも。いないことを教えるための架空の神様なら、誰もがどこか信じている。臓器の隅々まで有害物質がいきわたるように、ふかくふかく俺は煙を吸い込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます