PM1:28

「うぅぉぉぉ…………」

「ちょっと走ったくらいで大袈裟だな三島は」


 地獄のグラウンド3周を血反吐を吐きながらどうにかこなした俺を、あかみちんが笑顔で出迎える。けど俺には悪魔に見えた。デビルスマイル。


 他の奴らはとっくに走り終え、2人1ペアの柔軟体操すら終わらせようとしていた。俺も急いで柔軟体操に入ろうと思ったが、


「なぁあかみちん。ペアはどうすればいい?」

「んぁ? 相手がいないなら無理にやらなくていいぞ」


「いや、やらなきゃダメだろ。あかみちんがペア組んでくれたらいいじゃん」

「俺は授業を円滑に進める役目があるんでな、謹んでお断りする。よ~し、全員集合しろ~」


 マジか。この体育教師、リアルに柔軟体操無しで進めようとしてやがる。怪我したら呪ってやる。


 けどまぁ、呪詛を吐いてたってしょうがない。俺がそろそろと団体に合流する中、あかみちんが声を張った。


「さぁて、今日は2クラス合同での授業となるわけだが、理由は聞いているな?」


 聞いてません。


「そうだ。今日は久々の『魔術実習』だ!」


 だから聞いてません。

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