PM1:23

「ふん。それで少しはマシになったのか? 三崎」

「まぁ、それなりには」


 俺は彼方を……グラウンドを走る一団を見やりながら言う。


 体育の授業は、選択授業と同じように隣のクラスと合同だ。で、男と女に分かれてそれぞれの授業を行う。


 いつもなら片方が体育館で、片方がグラウンド……のはずなのだが、今日は男女混合だった。単純にいつもの倍の人数で走っているせいか、どうにも足並みがバラバラで統一感がゼロだ。


「ったく、腹痛がするから、なんて理由でサボらせてやる体育教師なんて俺くらいのもんだぞ?」

「サボってねぇって。痛みが治まったらちゃんと走る、って言ってんだろ?」


 ぐちぐちと文句を垂れた身ではあるが、いつもの俺なら腹痛に教われようともランニングぐらいはちゃんとする。それが今日、こうして一人だけ外れて休憩しているのは、やっぱりあの重箱達のせいだろう。


 ウォーミングアップのグラウンド1周。それを走るどころか歩く事すらキツいぐらいの痛みだったんだ。けど、それもようやく治まってきてくれた。


「よし、それじゃとっとと走ってくるわ。もし途中でまた痛くなったら歩きにシフトするかもしれねぇけど、それくらいは許してくれよな」

「分かった分かった。……あぁ、そうそう」


 あかみちんは俺を見やり、満面の笑みで言った。


「さっきの独り言聞いてたが、去年3回長距離サボったって? よし、今日でそれをチャラにしてやろう。グラウンド3周、行ってこい」


 何ですとぅ……!? 

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