PM0:32
よし落ち着け。素数を数えるんだ。
生徒会長が俺のクラスに来た。今朝の遅刻の件で、学校側に非があったことを認めてくれて謝罪された。それはいい。
で? 弁当? 昼食? 生徒会長と一緒に?
「何でやねん!」
「……? どうかしましたか? 三崎君」
生徒会長が首をかしげて言う。しまった、つい口に出してしまった。
「いや、何でもない。気にしないでくれ」
「そう、ですか」
少し訝しみながらも、生徒会長は手を動かし続ける。
よし落ち着け。虚数を数えるんだ。
生徒会長はこう言っているんだ。迷惑をかけたのだから、昼食を振舞わせてくれ、と。その言い分は分からんでもない。
けど、それなら教室で食べればいいじゃないか。
「なぁ、生徒会長」
「何でしょうか?」
「ここって屋上だよな?」
「はい、そうですね」
よし、とりあえず俺の認識は間違っていないようだ。そりゃそうだ。俺は生徒会長の後について、この屋上まで確かに歩いてきたんだからな。ここが屋上じゃないって言われる方が驚くわ。
だが、待ってほしい。何で屋上? 何度でも言うが、教室で食えば良くね?
「なぁ生徒会長」
「何でしょうか?」
「生徒会長はよくここに来るのか?」
「はい。昼食はいつもここで食べています」
それは爆弾発言だぞ? ウチの高校は、全ての校舎の屋上は立ち入り禁止になっているはずなんだが。
「許可をもらってるのか?」
「いえ、無断です」
あなた生徒会長ですよね?
「……鍵は?」
「適当な理由をつけて借りた後、ホームセンターで複製をした後に返却しました。ですので、何も問題は起きていません」
大問題ですよ? 学校の鍵のスペアを作るなんて、普通に犯罪な気がするんですが?
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