AM11:34
「……? 先輩、さっき隕石が落ちてきたんですよね?」
「そぉよぉ? って、アレは三崎君が喚んだんじゃなぁい」
喚んだ自覚ゼロっす、すんません。
「いや、でもあんまりグラウンドが壊れてない気がして……」
俺は今、グラウンドの端っこ、校舎との境目辺りにいた。そして俺の視線の先には、どでがいクレーターがある。
グラウンドの5分の1くらいか。巨人のパンチでも食らったのか、って感じの大穴が、さっき俺がいた辺りにぽっかりと出来ていた。
先ほどの隕石の仕業としか思えない。まぁこれも美術の時に吹っ飛んだ山みたいに、ちっちゃな悪魔の涙ぐましい奮闘によってあっという間に復旧するんだろう。
が、繰り返すがさっきのは隕石だった。それもかなりデカかった。専門的な事は分からんけど、あの程度の穴で済むとは到底思えない。
「? そんなの、当たり前じゃな~い」
と、先輩が素朴に首を傾げてみせる。
「どんなことが起きても学校がぶっ壊れないように、特大の防御魔術が仕掛けられてるんだもの。そうでもなきゃ、美術の時間のたびに校舎が消し飛んじゃうでしょぉ?」
「あぁ、まぁそれもそうっすね……」
つまり、良く分からん防御システムがこの学校には備わっていて、例え隕石が落ちてきても何とかなる程度には鉄壁の守りって事か。隕石で滅んだ恐竜涙目だなマジで。
で、隕石に狙われてた俺だけがまともにそれを受けちまって、結果天国にドナドナ……する事すら許されず、こうして呼び戻されたってわけだな。
……逆に、何をどうしたら死ねるんだろうか。自分から死にたい、なんて気持ちはこれっっっっっぽっちも持ってないつもりだが、ちょっとだけ。ちょっとだけ、興味が湧く俺だった。
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