AM11:33
「…………~い」
遠くから声が聞こえる。ぼやけてうまく聞き取れない。
俺の体はゆらゆらと揺れていた。大海原のど真ん中で、小さな波、大きな波に好き放題にされている感覚。……いや、そんな経験したことないけど、イメージの話な。
「…………さ~い」
んん? なんか聞き覚えのある声だな。けどなんでだろう、あんまり思い出したくない声な気もする。
つかここどこだ? 多分眠ってるんだと思うけど、夢とは違う気がする。アレだ、意識はあるのに体が動けなくて目も明かないヤツ。半覚醒状態って言うんだっけか。
俺、何してたんだっけ? 記憶に靄がかかったみたいに、どうにも思考が纏まらない。んー、なんかすげぇ大変な事に巻き込まれてた気がするんだけど。
……ま、いっか。こういう時はそのまま寝ちまえばいいよな!
「起きなさ~~~~い!!」
「うおわっ!?」
残念無念。俺の意識、完全覚醒。
勢いよく目を開くと、目の前には先輩がいた。記憶の靄も一気に晴れ、何が起きたのかを完全に思い出していた。
「せ、先輩……?」
「そうよぉ。おはよぉ、三崎君」
「……つまり俺、死んだんですか?」
「その通りなのぉ。プチッと潰されちゃってぇ」
その情報は出来れば聞きたくなかった。そっか、俺プチッと死んだのか。まぁ完全に隕石だったもんな、当然っちゃ当然だ。
とうとう死んでしまった。いつかこうなるんじゃないかと思ってたら、マジで死んでしまった。
って事は、アレが〝死ぬ〟って感覚なのか。俺一人の力ではどうする事も出来ず、どこに流れ着くかも分からない。うん、確かに死ぬってのはそういう感じかもしれない。
『三崎修二、死亡。カウント、1』
おい誰だ止めろカウントしたヤツ。そんなんカウントされたら、2回目がどっかで襲い掛かってくるフラグになるだろうが!
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