第11話「Vレンジャー再臨」

 Side Vレッド:日比野 烈


 そのころ、世界管理局と共同戦線を張るVレンジャー達とVレンジャーの基地である「Vベース」に展開した通常装備(と言ってもレーザーガンとか装備しているが)の兵士達。


 それを支援するように世界管理局の軍用パワードスーツであるラウンドウォーリア―部隊やロボット兵器であるアサルドライド部隊、歩兵部隊などが展開。


 さらにはこの世界では十分ヒーローとして活躍できる特注のヒーロースーツを身に纏ったメタルヒーロー達も展開していた。


 上空では闇乃 影司を信じて――と言うか倒されることなどこれっぽっちも考えてない爆乳金髪美女二人が目に毒なセクシーな格好で近付く敵を次々と粉砕している。


 これに負けていられないとVレンジャーの面々は奮起する。


 特に何故か一番仲良くなった日比野 烈はルザードトルパーを次々と剣で蹴散らしていく。


 剣で斬り飛ばし、殴り飛ばし、空中を浮かんで回避したり――時には気弾を放ったりした。即席ながら闇乃 影司の修行の成果により限定的ながら派手なバトル漫画のキャラクターっぽいアクションも出来るようになった。


 他のVレンジャーの面々もまるで先日とは別人のような派手かつダイナミックなアクションとパワー、スピードで怪人相手にタイマンや二人一組などで互角以上に渡り合い、最下級のルザードトルパーを容易に蹴散らし、少しずつながら敵の幹部級の戦士の数を減らしていく。

 

「おのれ!! 何時の間にそこまでの力をつけたVレンジャー!?」


 既に撃ち倒された部隊――獣将軍ザメリア、騎士将軍ガヴァリレの配下だった戦士達にVレンジャーの基地であるVベースで囚われの身となっている械将軍バイラスの配下である機械戦士達との混合部隊の面々がそう毒付く。


 以前であればVレンジャー最後の日と呼べる程の絶望的な大戦力だったが今は押されている。


 その事実にルザードの戦士達は驚愕していた。

 

 通常戦力相手でさえも世界管理局のフォローで上手いこと手を出せず、旧政府の戦力も世界管理局のメタルヒーロー部隊やリンダ・アイゼンバーグ、ジュディ・ライア―の活躍で阻まれていた。

 

 闇乃 影司は現在宇宙空間で敵の切り札らしき戦士と殴り合っていて「一人だけ○ラゴンボール状態」だがこの世界の人々に畏怖と敬意を与えているがまた別の話である。


『このまま長期戦を持ち込ませるのは不味いわ。アレを使うわよ!』


 Vシルバー、セシリアが敵の戦士を纏めて三体斬り飛ばしながら言う。

 烈達、Vレンジャーの面々は「「「「「OK!!」」」」」と承諾した。


 そう。

 ここまでは一種のウォーミングアップ。

 

 しかるべきタイミングで投入するつもりだったが相手が一気に大戦力で決めて来ようとするので早々にこのカードを切ることになった。


『『『『『『パワードチェンジ!!』』』』』』


 そして六人の戦士の姿が変わる。

 Vレンジャーの姿が変わった。

 胴体を守るプロテクター。

 角張ったショルダーアーマー。

 体の各部にアーマーが配置されていく。


 パワードVレンジャー。


 ここに誕生した。


『おっしゃ行くぞ!!』

 

 日比野 烈を筆頭に次々とVレンジャーの面々が戦士達相手に斬り込んでいく。


『私も何時までも弱いままじゃない!!』


 一番戦闘力が低い筈のピンク、四季 春奈ですら空中に浮かんでロッドから火の玉や雷撃などを引き起こして複数の怪人を単独で相手取っている。


 他の面々も目にも止まらぬ高速移動しながら――強烈な一撃を見舞っていく。

 今迄のVレンジャーとは次元が違う強さだった。


『決めるよ!! ハァ!!』


 Vイエローこと黄之 舞が空中に複数のルザード帝国の戦士をガントレットに気を注ぎ着込んで叩き出し、


『決める!!』


 そしてVブラックこと黒飛 翼が強化されると同時に人体の気の力を流し込んで破壊力を強化出来るようになったアサルトライフルで撃ち落とす。


『でや!!』


 Vグリーンも手に持った槍、Vランサーで次々と敵を射貫いていく。

 シルバーのセシリアも怪人ですら雑兵同然の扱い。

 この活躍に世界管理局の面々も舌を巻く。


『流石だな皆! 俺も負けてられないぜ!!』


 日比野 烈も次々と敵を斬り倒していく。


☆ 


 Side Vレンジャー司令官;勝村 昇利


 モニター越しに活躍を見ていたVレンジャーの司令、勝村 昇利も舌を巻いていた。

 僅かな時間で何があったのだろうか?


 まるで別人のような変化だった。

 

 同時に時間が経つに連れてあの闇乃 影司の事を想った。


 あの少年は、未来ある若者を不思議な道具で一時間、あのジオラマの中では一ヶ月の時間で強くしてくれたんだなと。

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